ウイスキー好きの"今夜も飲む!"

ウイスキーとその蒸溜所を愛し、年間10回以上蒸溜所を訪問。ウイスキーの良さと蒸溜所見学の楽しさを皆様に知っていただきたいと思います。2019年、ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル取得。

タグ:蒸溜所

前回:「蒸溜所への行き方」

前回、サントリー山崎蒸溜所へのアクセスとツアー予約について解説したが、今回は各見学ツアーの具体的な内容や違いについて紹介したいと思う。
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有料の見学ツアーが2種類あることは前回述べた通り。見学費用が1000円で、予約できる時間枠の多いノーマルの見学ツアーと、2000円の「シングルモルト山崎誕生の物語」という上級の見学ツアーがある。
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2つのツアーの大きな違いは試飲メニューにあり、1000円のツアーではシングルモルト山崎ノンエイジとその構成原酒2種(ホワイトオーク樽原酒、ワイン樽原酒)を、2000円のほうではシングルモルト山崎12年と構成原酒3種(ホワイトオーク樽原酒、シェリー樽原酒、ミズナラ樽原酒)をそれぞれ楽しむことができる。
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また、1000円のツアーが試飲以外はずっと立ったままで進行するのに対し、2000円のツアーでは最初にツアー用のホールに案内され、着席しながら蒸溜所紹介の動画を見てから工場見学、さらに戻って今度は山崎12年の紹介動画を見て、それから試飲という流れになっている。
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工場見学の部分に関しては全く同じ順路、基本的に同じ内容となっているが、1000円のツアーが時間的に少々タイトな設定なのに対し、2000円のツアーでは多少余裕のある進行になっており、個人での質問やエリア毎の写真撮影がしやすくなっている。
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この時間的な余裕の差は非常に大きく、1000円のツアーでは説明を細かく聞いていると写真を撮る暇が無く、逆に写真をしっかり撮ろうとすれば説明を聞きそびれてしまいがちだ。その点、2000円のツアーではゆったりと見学を楽しむことができ、値段相応に満足度が上がっている印象だ。

尚、どちらのツアーも原酒は1杯ずつ、製品は2杯ずつ(2杯目は多めの量で)用意され、さらにグラスと氷、炭酸水も配られ、製品2杯目を好みの方法で楽しめるようになっている。ツアー推奨の飲み方はハイボールだが(美味しいハイボールの作り方をレクチャーされる)、ロックでも水割りでもストレートでもどれで楽しんでも良いだろう。また、おつまみとしてナッツやチョコレート等も用意されている。
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1000円もしくは2000円でここまで至れり尽くせりなツアーも珍しいだろう。ただ、1000円のツアーではやはり時間の制限がタイトであり、ゆっくりじっくり楽しむのは少々難しい。一方2000円のツアーでは試飲時間もかなり余裕をもって取られていて、テイスティングアイテムが1種類増えているにも関わらず最後までゆっくり味うことが可能だ。

全体的にみてやはり2000円のツアーのほうが満足度は高めになっている。が、1000円のツアーも決してレベルが低いわけではない。ウイスキー蒸溜所の見学ツアーとしてはどちらも非常に優秀で完成度が高く、十分楽しむことができる。
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たまたま2000円のツアーが予約できれば良し、ダメでも1000円のツアーで基本的な部分は十分に見て回ることができるし、一部の原酒や製品は試飲カウンターでも楽しむことができる。

さてツアーの内容についてはここまで。具体的な内容は是非ご自身で参加し、体験していただきたい。

ウイスキーの蒸溜所は今や日本全国各地に点在している。ここ数年でその数は20を超える勢いであり、半数以上の蒸溜所が一般客に対して設備の見学を実施している状況だ。
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ウイスキーファンの方々の中には、住まいの地域に蒸溜所があるという方もいらっしゃるだろうし、また、旅行に行かれる先が蒸溜所が立地する地域であることも同様に少なくないと思う。ならば、是非とも暇なときに、観光ついでで構わないので蒸溜所に立ち寄って欲しいと思う。

このブログでは自分自身で訪問経験のある蒸溜所に関して、訪問の経路や交通手段、見所や見学のポイント、宿泊や周辺施設の情報までできるだけ幅広く情報を発信したいと思い、「〇〇蒸溜所へ行こう」というシリーズでこれを順番に紹介していきたいと思う。


シリーズ最初は国内第1号蒸溜所で知られるサントリー山崎蒸溜所から始めたいと思う。

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山崎蒸溜所が位置するのは大阪府と京都府の府境「大阪府三島郡 島本町」。最寄り駅は「山崎(JR)」または「大山崎(阪急)」の2つである。
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どちらの駅も大阪、京都から約30分程度で往来できる距離であり、駅からも徒歩で5~10分程度とかなりアクセスの良好な立地である。行き方に困ることはないだろう。

また、蒸溜所敷地内に一般客用駐車場の用意が無いため、訪問の際には電車+徒歩での移動が基本となる(駐輪場も無し)。また、当然ながら運転する予定があってのウイスキー試飲はご法度なので、蒸溜所を満喫するためにもできるだけ公共交通機関のみを利用して向かって欲しい。

さて、蒸溜所に向かう前に一つ注意して頂きたいことがある。それは山崎蒸溜所が見学コースも見学無しで立ち入る場合にも必ず事前予約が必要であるということである。予約は山崎蒸溜所公式ウェブサイトか電話(番号は公式サイトを参照のこと)にて行うことができ、月初めの最初の平日に3か月後の月の1か月分の枠が開放されるようになっている(開放日時は前後する可能性あり。公式サイトにて次月の開放日の案内がされるので参照してほしい)。

土日祝日など人気のある曜日は開放と同時に埋まることも珍しくないので、絶対に行きたいという方は早めに予定を組み、開放と同時に予約するなど尽力していただきたい。

予約できるコースは、通常の見学ツアー(1000円)、「シングルモルトウイスキー山崎誕生の物語」という特別コース(2000円)、山崎ウイスキー館(ショップ、試飲、展示)見学コース(無料)の3コースとなっている。

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通常のツアーは年末年始やメンテナンスによる休止期間を除き通年で開催されており、時間も朝から夕方まで5枠ずつ設定されている。無料コースも同じ日程で予約可能で、こちらは7枠となっている。一方、特別コースは土日祝日限定となっており、時間は13:00からの1枠のみとかなり制限されているので注意が必要だ。

予約さえ取れてしまえば、あとは蒸溜所に行くのみ。入口の受付で手続きを行い、見学ツアーは所定の場所にて待機、入場のみの場合はそのままショップや試飲コーナーへ向かおう。

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先述の通り、大阪または京都からのアクセスが非常に良好であるため、関西圏の観光のついでに立ち寄ることも容易。宿泊に関しても都市部周辺にホテルが点在しているので困ることはないだろう。ただ周辺に飲食店が無いことだけが唯一の欠点だろう。蒸溜所内にもレストランは無いので、どうしても現地で食事が必要な場合には駅近くのコンビニを利用するほかない。

尚、JR山崎駅前からはJRA京都競馬場への直通バスも運行中。蒸留所でウイスキーを飲んでから競馬場へ行くというオトナな(ジャンキーな)楽しみ方もできるということを付記しておこう。


[アクセス]
≪JR京都線≫
〇 大阪駅(京都・滋賀方面)→ 山崎駅
〇 京都駅(大阪・神戸方面)→ 山崎駅

≪阪急京都線≫
〇 梅田駅(京都河原町方面)→ 大山崎駅
〇 京都河原町駅(大阪梅田方面)→ 大山崎駅

最寄りの都市は大阪または京都。飛行機ならば関西空港または大阪空港から大阪駅へ移動し、そこからJR線で移動するのが一般的なルートになるだろう。大阪空港からの場合は大阪モノレールより阪急宝塚線へと乗り継いで、梅田方面途中の十三駅にて京都方面行きに乗り換えてもよい。

新幹線の場合には西方から来るなら新大阪駅、東方からならば京都駅でJR線にそれぞれ乗り換えればよい。JR線で大阪や新大阪から乗る場合は「快速」または「新快速」列車に乗り、高槻駅で普通列車に乗り換えると時間短縮ができる。京都からは快速列車からの乗り換えができないので、普通列車一択となる。

移動の際の注意として、JR京都線が比較的遅延が発生しやすい路線となっているので、時間に余裕をもって移動することをお勧めしておく。

次回:「蒸留所ツアーの楽しみ方」編

日本の最南端、鹿児島県。その鹿児島県の南さつま市、津貫に現在日本で最も南西部となるウイスキー蒸溜所が存在する。それがここに紹介するマルス津貫蒸溜所だ。
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マルス津貫蒸溜所はマルス信州蒸溜所に続き、本坊酒造株式会社が開設したマルスウイスキー第2の蒸溜所である。実際のところ、過去には鹿児島工場、山梨ワイナリーでもウイスキーの製造が行われていた歴史があり、厳密にいえば本坊酒造史上4つ目のウイスキー製造工場ということになるだろう。
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津貫蒸溜所のある場所は元々焼酎製造を行っていた本坊酒造津貫工場があり、本坊酒造生誕の地でもある。蒸溜所敷地内に高々とそびえる建屋内には、当時焼酎やスピリッツの製造に使用されたスーパーアロスパス式の連続蒸留器が歴史の名残として展示されている。また、連続式蒸溜器は使用されていないものの、津貫蒸溜所の隣には本格焼酎の製造所、貴匠蔵が併設され、現在も焼酎の製造が続けられている。
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津貫は信州蒸溜所と比べて温暖かつ湿潤。ウイスキーの熟成も早く進むとされ、蒸散によって失われてしまう量は年間で6%(信州で約3%程度)になるという。
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また、本坊酒造は津貫蒸溜所と同時に屋久島にウイスキー用のエージングセラー(熟成庫)を開設。信州蒸溜所と合わせ、3カ所に熟成庫を持つことになった。現在、津貫と信州の2蒸溜所で製造したウイスキーを3カ所それぞれ相互に移動、保管し、それぞれ原酒に対してそれぞれの熟成庫の自然環境の影響を加え、性質の異なるウイスキーの完成が目指されている。

信州で蒸溜、津貫および屋久島で熟成した原酒はそれぞれ「駒ヶ岳 津貫エイジング」「同 屋久島エイジング」として既にリリースされている。これらはまだ短熟の製品ではあるが、それぞれ熟成環境の違いが少しずつ現れており非常に興味深い仕上がりになっている。今後5年、10年と経過することでどのような味わいに変わるのか、長熟ボトルのリリースが楽しみだ。

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尚、津貫原酒の信州、および屋久島のエイジングシリーズはまだ一般販売されていない。今年の蒸溜所イベントで初めて限定販売され、蒸溜所へ行けばまだ試飲も可能だ。信州、屋久島ともに試飲をしたが、とても面白い出来栄えになっていた。気になる方は一度蒸溜所にて試飲することをオススメしておく(残念ながらボトル販売分は完売)。

2018年5月中旬の話ではあるが、幸運にも余市のマイウイスキーづくりに参加することができた。

既に1年以上前の話で恐縮であるが、本記事は参加時の様子を体験記として簡単にまとめてみたものである。
お暇な方は是非どうぞ。
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さて前回の記事で紹介した通り、マイウイスキーづくりは2日間にわたって開催される。といっても丸々2日間使う訳ではなく、1日目の昼過ぎから始まり2日目の昼で終了。遠隔地からの参加者にも十分配慮されたスケジュールとなっている。
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尚、この時はウイスキーブーム加熱の真っ只中だったことに加え時期が良かった(5月半ば)ということもあって応募が殺到。通常20~30倍程度(それでも十分多いが…)のところ約40倍もの倍率だったそうだ。参加枠が約20人であることを考えると今回だけで800人あまりの応募があったことになる。その凄まじき倍率を勝ち抜けたのだから本当に価値ある参加だったと思う。
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蒸溜所までは空港から小樽までJR特急で直通、小樽でローカル線またはバスに乗り換えて余市へと向かう。この乗り換え時間が曲者で、なかなか上手く乗り継ぎできない。小樽から先の函館本線が単線で本数が限られることが原因だが、そのために時に30分近く乗り継ぎ待ちになることもある。

そこでバスである。ちょうど昼時間帯には電車と前後して小樽駅前から出発のバスが運行しており、運賃も所要時間も電車とほぼ同等になため、都合の良いほうを選ぶことができる。自分はこの時ちょうど待ち時間なしで乗れるバスがあったため、これを利用した。
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さて余市に到着して早々に天候が悪化。集合時間前には本降りの雨となってしまった。5月中旬の北海道はまだ肌寒く、加えて雨降りで一気に気温が低下。春先とは思えない寒さの中での体験となった。

この日集まったのは総勢18名ほど。地元北海道はもとより東京、静岡、大阪、九州は福岡と全国各地から参加者が集まった。そしてなんとハワイからの参加者もおられ、ジャパニーズウイスキーの知名度の高さを思い知らされた。

1日目のスタートはまず座学。スライドを利用し、ウイスキーの製法やニッカおよび余市蒸溜所の成り立ちの説明がされた。その後外に出てキルン棟を見学、続いて糖化槽、発酵槽の順に見学を案内された。発酵槽の棟では麦汁とモロミを試飲。モロミは他の蒸溜所と比べて酸味の効いた味わいだった。
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お次はポットスチルへの石炭投入体験、糖化槽へ戻って清掃体験と肉体労働が続いて製造エリアの体験は終了。その後は構成原酒を使ったマイブレンド体験、旧竹鶴邸内部の見学を終え懇親会となった。
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悪天候だったことも手伝ってか若干ビジーな進行となった1日目だったが、各場所での解説、対応は大変丁寧で行き届いたものであり、満足度高めだった。また、最初は初対面であまり会話の進まなかった参加者同士も終盤になるにつれて打ち解け、懇親会ではお互い大いに盛り上がった。
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尚、懇親会では今年10年目を迎えたマイウイスキーづくりのシングルカスク余市(2008-2018)も登場。10年後に向けて大いに期待を高めつつ、1日目の終了となった。

2日目に続く

余市蒸溜所ではウイスキーファンに向け、年に数回とあるイベントを開催している。
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その名も「余市マイウイスキーづくり」である。

これはニッカウヰスキー主催で行われる一般客向けのサービスイベントで、余市蒸溜所および宮城峡蒸溜所の2カ所で開催されている。開催される回数は余市が年に8回、宮城峡が4回程度で、概ね金曜~土曜または土曜から日曜の2日間の日程で行われている。

「マイウイスキーづくり」は元々ニッカの得意先など、特別なゲストを集めて開催される身内向けの企画だったものを一般顧客向けにも開催したのが始まりだそうで、いまや酒類メーカー屈指のファンサービスイベントとして国内はおろか海外からも参加者が集まるほどの人気。毎年参加募集には応募が殺到するのが恒例であり、抽選によって参加者が決まるが、その倍率はざっと20~30倍、ときに40倍近くにもなるという。
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2日間の主な内容は、
(1日目)
① キルン棟見学およびピート燃焼の見学
② ポットスチルの直火釜への石炭投入
③ 糖化槽の清掃体験
④ 原酒のブレンド体験
⑤ 旧竹鶴邸の見学
⑥ 懇親会

(2日目)
① 製樽工場見学
② ニューポット樽詰め
③ 熟成庫への樽の運搬、搬入
④ 修了式

となっており、かなり盛沢山だ。さらに1日目には合間合間に一般見学では入ることのできないエリアの見学があり、麦汁やモロミの試飲も用意され、2日間通してニッカに限らず全ウイスキーファンにとって夢のような企画となっている。
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勿論、自分たちで詰めた原酒もちゃんと配布される。ただしそれはマイウイスキーづくりからきっかり10年後。息の長い話ではあるが、貴重な余市のシングルカスク、カスクストレングス10年ものを入手できると思えば惜しくない時間だろう。それに自分たちで詰めた樽が10年間掛けて熟成していく様を想像する楽しみもある。
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それに他の参加者とのコミュニケーションも楽しい。皆ウイスキー好きな方々ばかりで、自分が参加した時は北は北海道から南は福岡、加えてハワイから来られた方まで老若男女様々な出身地、そして様々な職業の方が参加されていた。そんな方々とウイスキーという一つの共通言語を元に情報交換から雑談までいろいろな会話を楽しめた。これもまたファンイベントとしての醍醐味だろう。

大変人気の企画であるため、まず抽選に当たらなければならないというハードルはあるが、しかし、ウイスキーファンなれば是非一度ご参加頂きたいイベントである。

今や世界でも屈指の規模の酒類メーカーとなったサントリー。そんなサントリーが山崎蒸溜所に次ぐ第2蒸溜所としてオープンさせたのが、山梨県北杜市に位置する白州蒸溜所だ。
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白州蒸溜所があるのは山梨県北杜市。街や駅から遠く離れた森林の中に位置している。日本国内で山や海、はたまた都市部や工業地帯に立地する蒸溜所はあれど、深い森林の中に位置する蒸溜所は珍しい。
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白州蒸溜所が創業したのは1973年。後、1981年に同敷地内にもう1つ蒸溜所を建造し、最初の蒸溜所を「白州西」、新しい蒸溜所を「白州東」蒸溜所とした。その後、白州東蒸溜所が本格稼働するのと同時に白州西蒸溜所は事実上閉鎖。現在「白州蒸溜所」と呼ばれている施設は「東」蒸溜所のほうである。

尚、「西」の建物は取り壊されずそのまま保存され、現在はコンサートホールやセミナールームとして利用されているようだ。
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敷地内には所謂蒸溜所としてウイスキーの製造が行われる棟、樽の貯蔵庫、クーパレッジ、他ビジター用のショップ、レストラン、博物館など多くの施設・棟が林立している。製造設備の規模は同じくサントリーの山崎蒸溜所に匹敵する大きさで、やはり他社の蒸溜所とは一線を画す印象だ。さらに敷地内には多くの木々が立ち、野鳥の森「バードサンクチュアリ」として観光スポットの一つとしており、自然と融合したナチュラルなイメージが強調されている。

これだけ多くの施設があり、さらに合間合間に森林が広っていることからも解るように、白州蒸溜所は極めて広大な敷地に存在している。実際、見学で訪れるとエントランスからビジターセンター、ビジターセンターから製造棟、製造棟から貯蔵庫までの距離が大きく開いていることに気づく。製造棟から貯蔵庫に至ってはバスで移動するほどの距離があり、全行程徒歩で見学する山崎とは大きな違いである。
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先述の通り蒸溜所敷地内には木々が生い茂り、移動中にちょっとした森林浴が楽しめるし、四季によって変わる景色も非常に良い。都市に近く、非常に工業的なイメージの山崎蒸溜所と好対照な、まさに「森の蒸溜所」だ。

この3年間、ギュギュっと詰め込むように国内の蒸溜所を訪問してきた。回数にして20回以上、場所でいうと9カ所。主に古株で企業傘下の蒸溜所が多く、所謂有名どころばかりと言えばばかりなのだが、どの蒸溜所もその蒸溜所なりの良さ、楽しさ、学べるポイントがあった。
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自分の故郷に程近く、しょっちゅう通っているマルス信州ではウイスキーが生まれる様を手が届くほどの近さで体感し、現居住地のご近所さん山崎では大企業傘下蒸溜所の大きさ・立派さに圧倒され、遠く北の余市では異国情緒に心揺さぶられた。
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さらに長濱の日本一小さな蒸溜所、明石海峡を望む江井ヶ島の古参の酒造では、驚くほど明け透けに(今考えても極めて貴重な)情報を教えていただき、自分の引き出しを大いに増やすことができた。
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そして富士御殿場や宮城峡では同志、ウイスキーラバーの先輩方と交流の機会を得、楽しいひと時を過ごすことができた。

他にもたくさんの良い経験、トラブル、人生の勉強の機会に直面した(それこそ書ききれない程に)。

ウイスキーは日本において未だ嗜好品であり、それを愛する人間はコアな(そしてヲタクな)人種だと思う。だが、既に100年に及ぶ歴史を持ち、それこそ老いも若きも女も男も長きにわたって楽しんできた文化の一つとして、ウイスキーは確固たる地位を得た嗜好品でもある。それを生み出す蒸溜所には長い長い歴史のロマン、携わってきた先人達の足跡が脈々と刻まれている。

蒸溜所はそんな歴史や先人達の想いに触れることができ、訪れた先々で出会いやら発見やら多くの刺激が得られる、良い場だと思う。

ウイスキーファン、ないしラバーをかたる皆様、一度でいいので蒸溜所を訪れてみてください。行ったことがあるという方は今度は別の蒸溜所を訪ねてみてください。きっと良い経験が待っていると思います。


…酔いに任せてダラダラ書いたが、着地がよくわからなくなってきたので、このへんで〆にしたいと思う。

以上。(お酒は程々に…)
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北の大地には偉大なるジャパニーズウイスキーの父が建てた蒸溜所がある。ニッカウヰスキーの第1の拠点北海道工場、又の名を余市蒸溜所である。
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余市蒸溜所はまさしくニッカウヰスキーの創業の地。創業当初の建物をほぼ当時の姿のまま残しており、その多くが国の登録有形文化財に指定されている。
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その美しさは見ての通り。それは所謂現代的なマニュファクチャリングではなく、レトロモダン。一見して日本のウイスキー蒸溜所とは思えないほど美しく、時に異国情緒すら感じさせる風景だ。異国の雰囲気が感じられるのは言うまでもなく、この蒸溜所の設計者がかの竹鶴政孝御大であるからに他ならず、彼がウイスキーの本場スコットランドで見聞き学んだ事が随所に活きているからこそなのである。

故に、そんな風景を横に眺めながら敷地内を散策するだけでも価値があり、ここがニッカ創業の地と知らずとも、その異国情緒と建築物の美しさで十分楽しめる場所なのだ。

…と非ウイスキーファン向けのアピールはさておき、ウイスキーファンにとってもここは聖地。場内の見学では随所に見所が用意されている。
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その一つが言わずと知れた石炭直火炊きのポットスチル。今や(少なくとも有名蒸溜所では)世界でここだけ、ここでしか見ることのできない手法の、これまた実にレトロな光景なのである。

言わずもがな、現代の多くの蒸溜所はスチーム加熱で蒸溜を行うのが主流であり、例え直火炊きであっても殆どがガス(例外として静岡蒸溜所は薪)を燃料にしている。石炭直火はまだガスが燃料として一般に利用される前の、もっと昔にポットスチルの熱源に利用されていたものであり、近代化・工業化が進む中で既に廃れたものである。熱源としては極めて不安定で非効率、人力を必要とする作業を、今日もずっと続けているのだ。

それが例えビジターへのサービス的に残されている慣習だったとて、ファンの心をくすぐり、感銘を与えてくれることに他ならない。今後もきっと続けられるだろうし、続けてほしいと思う。

さて、これ以外にも見所は多々ある。今も外観と機能をそのまま残すキルン棟だったり、日本では珍しい平屋建てのダンネージ式ウェアハウスだったり、製造設備だけでもハイライトだらけなのである。
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そして忘れてはいけない旧竹鶴邸。
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見所盛だくさんだ。

勿論最後には製品試飲や直営のショップでの買い物が待っているし、資料を展示した博物館や有料試飲カウンターも備えられている。広大な敷地は先述のように文化財を見ながら散策するのにもうってつけだ。ウイスキーファンにもそうじゃない人にも、非常にオススメな観光地である。

日本で最古参の蒸溜所といえば言わずと知れたサントリー山崎蒸溜所であるが、実はそれより以前にウイスキー製造免許を取得している蒸溜所が、しかも案外近所に存在していた事実は意外と知られていない。
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江井ヶ嶋酒造。兵庫県明石市、瀬戸内海に面した場所に本社工場を持つ酒類メーカーであり、1888年に設立、1919年にウイスキーの製造免許を取得している。取得後すぐにはウイスキーの製造は行われず、実際に製造が開始されたのは1960年代頃、奈良県のシルバーウイスキーから製造設備を譲り受けてからとされる。
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1984年には新たに「ホワイトオーク蒸溜所」棟が建ち、以降はこちらでウイスキーを製造している。江井ヶ嶋酒造は元より日本酒の製造が主体であり、ウイスキーの製造は日本酒の仕込みが終わった夏頃に数か月程度行われるのみであったが、ウイスキーの需要が高まった現在は春頃から秋の中頃、日本酒の仕込み準備を始めるギリギリの時期までウイスキーの製造を行っている。
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また、一昨年までは使用するモルトのピートレベルは1種類(ライトピート)のみだったそうだが、昨年よりノンピートとヘビーピートを加えた3種類のバリエーションで製造が行われている。

古参ながらこれまで特段注目の的となることが少ない印象だった江井ヶ嶋だが、増産体制に入り、造られる原酒の幅が広がったことで可能性が大きく広がった。最近はイモシェリーカスクの商品を販売する等、実験的なリリースも見られ、ますます目が離せなくなっている。

蒸溜所見学の魅力とは~その1~」に引き続き、その魅力を紹介したいと思う。

③ ウイスキー製造を学べる

多くの蒸溜所では見学者用に、ウイスキー製造の各工程に関する説明や案内が書かれたパネルが設置されていることが多い。また、ツアーガイドが同伴する場合にはそれぞれの工程を具体的に説明してもらえるし、時間が許せば質問にも答えてもらえる。
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ウイスキーの製造プロセスに関しては、媒体を問わず現在多くの情報が流れている。単にそれを知りたいだけであるならばネットで検索するか書店に足を運べばいいし、近所のバーで聞いても良いと思う。しかし、実際の製造現場で、造られている様子を見ながら説明を聞けば、より理解や興味が深まると思う。

④ 作り手の話を聞ける

蒸溜所ではそこに努めるスタッフと会話することもできる。前項で述べたツアーガイドの他に、ショップや試飲スペース等の店員、場合によっては製造スタッフと会話することも可能だ。もっとも、大企業系の蒸溜所では製造スタッフが働くエリアには立ち入りが難しいため、製造スタッフと会話するには特別な見学会に参加するか余程運が良くなければならない。反面、規模の小さな蒸溜所ではそういった機会に恵まれるケースも稀ではない。
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作り手の考えや想いに触れることができれば、より一層ウイスキーへの関心が深まるだろう。また、場合によってはあまり知られていない裏話を聞けるかもしれない。


以上4点いかがだっただろうか。蒸溜所には他にもまだまだ楽しめるポイントがたくさんあり、到底語り尽くせない。是非実際に蒸溜所へ足を運び、自身で探し、楽しんで頂きたいと思う。

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