〇 スイート&ココナッツ&トロピカル!なグレン〇ーレンジ
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☆Westport 1995 Aged 19 years Brihgt Snowflaks
 度数:52%
 樽種:ホグズヘッド

(状態)開封後約1年/残量:80%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
かなりスイートで、ココナッツミルク、クリームのキャンディ。続いてバナナ、マンゴー、黄桃の缶詰、わずかに柑橘のワタの部分の香りもする。モルトの香ばしさも控えめながら感じられる。

味:
はっきりと甘さを感じる。レモンクリームのケーキ、ココナッツチャンク(実の部分)、ハニーシロップ、ミルクチョコレート。途中から渋みやウッディなフレーバーが現れる。余韻は中程度でややドライ。心地よい暖かさを感じつつ、緩やかに消える。

感想:
ココナッツやトロピカルフルーツ、バニラといった、所謂バーボン樽の良いフレーバーがしっかりと、しかしバランスよく感じられるボトル。香り、味ともにスイートでフルーティ。加水するとウッディさが強調され、渋みが優位になって少々飲みにくくなる印象。それほど刺激的な口当たりではないので、ストレートでゆっくり味わうのが良いか。

評価: 4 (美味しく感じる/ゆっくり楽しめるレベル)

コスパ:良い
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ウィスク・イ―からリリースされているスノーフレークシリーズの1本。「ウエストポート」は所謂ティースプーンモルトの1種で、メイン原酒の蒸溜所について販売元コメントには「テインの町にある…」「5m以上の首の長いポットスチルの…」というヒント(というか殆ど答え)が載っています。

つまるところグレンモーレンジな訳なんですが、オフィシャルスタンダードのミドルグレードによく感じられるオレンジや柑橘の風味よりもココナッツやフルーツといったバーボンカスク由来のフレーバーが前面に出ている印象です。開封当初は香り、味ともにかなりドライな印象で、スイートやフルーティなフレーバーはあまり感じられませんでした。一方で柑橘系ピールの風味やオレンジオイルっぽい印象は開封直後のほうが顕著に感じられ、最初の印象は薄味でドライなグレンモーレンジという感じ。正直良い買い物ではなかったかもと落胆していましたが、半年経過ぐらいからココナッツとトロピカルが開き始め、今やすっかり美味く変化したわけです。侮れませんね。結果として値段に対してかなりお得感のあるボトルとなりました。



さて、「ティースプーンモルト」について簡単に説明しておきましょう。

ティースプーンモルトはある1カ所の蒸溜所のモルト原酒1樽分に、ティースプーン1杯ぐらいの僅かな量の別の蒸溜所のモルト原酒を加えてブレンドしたもので、規制上ブレンデッドモルトとなりますが中身はほぼシングルモルトの状態で販売されるものをいいます。

ティースプーンの銘柄で有名どころでは上記紹介済みの「ウエストポート:モーレンジ」のほか、「ウォードヘッド:グレンフィディック」や「バーンサイド:バルヴェニー」、「ダルリンプル:アイルサベイ」等が比較的リリースのあるところでしょう。加えられる原酒は概ね同系列や関係性のある蒸溜所の原酒が多いようです。

これらは全てボトラーズからのリリース。つまりはオフィシャルボトル以外からでのモルト原酒のリリースを大っぴらに行いたくない、または行えない事情がある蒸溜所がボトラーズリリースする際の措置と考えることができます(勿論、他に理由がある場合もあるかと思います)。

これと似た形式として「シークレット~」というリリースがあります。シークレットスペイサイドやシークレットアイラ、シークレットオークニーなどが有名で、最近特に目立ってリリースが多い印象です。

ぱっと見で正体がわからないために触れにくい印象がありますが、販売店や販売サイトにてヒントとなる要素、または正体そのものを紹介していることが殆どなので、情報をちゃんと確認すれば問題なく楽しめると思いますので、臆せず試してみましょう。