ウイスキー好きの"今夜も飲む!"

ウイスキーとその蒸溜所を愛し、年間10回以上蒸溜所を訪問。ウイスキーの良さと蒸溜所見学の楽しさを皆様に知っていただきたいと思います。2019年、ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル取得。

タグ:ウイスキーエクスチェンジ

〇 とても良いフレッシュフルーツ感!今後の変化も楽しみなコスパの良いバーギ―
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☆Black Friday 2019 EDITION
 SINGLE MALT SCOTCH WHISKY
 FROM A SPEYSIDE DISTILLERY
 AGED 21 YEARS
 THE WHISKY EXCHANGE
 度数:53.1°
 樽種:リフィルバーボンホッグスヘッド

(状態) 開封後2ヶ月/残量:70%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
若梅を漬け込んだ梅酒、シードル、マスカットジュース、グァバ、パパイヤ、パンケーキを思わせる甘い穀物の香り、青みを伴うウッディ、オレンジソース、シナモンやナツメグのようなオリエンタルスパイス。全体的にスイートでフレッシュな印象。

味:
序盤はピーチシロップやオレンジオイル、生木のような若さを感じるウッディさ。中盤からタンニンの渋み、クリームを思わせる少しファッティなコク、柑橘類を思わせる酸味、少し青っぽさも感じる。終盤では僅かにピリっとした刺激とスパイスのニュアンスを感じる。全体的にあっさり、もしくはドライな印象。
フィニッシュは中程度で比較的ドライな印象。余韻は程良くビターで、遠くに南国フルーツの微かな香りも感じられる。加水では良い感じに伸び、プラム、グァバなどフルーツ感が増す。

感想:
香りにはフレッシュなフルーツやパンケーキ、ハチミツといったスイートなイメージが大いに感じられるが、味わいはどちらかといえばビターでドライ。加水していくと伸び、香りはフルーティに、味わいはスイートにシフトしていく。開栓間もないため、少々固いように感じる。

評価: 4(美味しく感じる)

コスパ:良い~値段相応

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英国のウイスキー販売店大手、ウイスキー・エクスチェンジ(The Whisky Exchange / TWE)がブラックフライデー(欧米圏で11月の第4木曜日の翌日)に合わせてリリースしているオリジナル・リミテッドリリースの第3弾。

無題
(TWE公式、ブラックフライデー:
https://www.thewhiskyexchange.com/feature/blackfriday

2017年より毎年リリースされているこのシリーズ。基本的に蒸溜所名非公開のボトルですが、商品説明欄のヒントを頼りに、簡単に特定することができるようになっています。ちなみに第1弾がグレンファークラス、第2弾がハイランドパークと考えられます。

今回は創業年(1810年)と蒸溜所の立地(フォレスとエルギンの間)がヒント、というか答え。1810年創業のスペイサイドの蒸溜所ってことでバーギ―一択なわけです。

年に一回の大規模なセールイベントであり、且つ全世界にユーザーの存在するTWEだけあって、毎年発売から1時間待たずして完売となるこのシリーズ。今年もおよそ30分程度で完売となっていました(尚、第1弾は15分も持たなかったそう…)。

個人的には初のウイスキー個人輸入だったため少々の躊躇がありましたが、バーギ―の21年、それもリフィルバーボンホグズヘッド熟成という、あまりにもドストライクなボトルだったことが背中を押し、無事手元にやってきたわけです。

中身については、まず開栓一発目にも拘わらず、はっきりと感じ取れるフレッシュフルーツ感。一拍置いてバーボン樽らしいトロピカルフルーツやスパイス、青みを伴うウッディやオレンジ、クリーミーなニュアンス等々、たくさんの香りが押し寄せてくる楽しい印象。

味わいは、若干ビター&ドライ寄りではありましたが、ちゃんとスイートなニュアンスもあり、強すぎないウッディと乾いたモルティさが下支えになり、悪くない感じでした。

欲を言えば味わいにもう少ししっかりフルーツのスイート感があればなぁ…といったところですが、そちらはまた、今後の開き方に期待ですね。

リリース本数確保のため、複数樽(今回の限定ボトル本数は1800本なので、ざっと計算9~10樽程度)のバッティングということでシングルカスクではありませんが、このスペックかつ味で手数料込み約128ドル(当時のレートで約14000円)とお値段もなかなか良心的。

ファンにとって嬉しい一本でした。

〇 シトラスフルーツと程良いスパイス、少々刺激的な口当たり。今後の伸びしろに期待。
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☆GLENLOSSIE Vintage 1992  Aged: 24Years
 SIGNATORY VINTAGE 
 CASK HAND PICKED BY THE WHISKY EXCHANGE
 度数:56.3%
 樽種:ホグズヘッド


(状態) 開封直後/残量:90%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
オレンジオイルまたはオレンジビターズ、シトラス系のフルーツシロップ、切りたての洋梨、麦汁の甘くて香ばしい風味、ホワイトペッパーやクローブのスパイシー、全体的にライトでスイート。少しワクシーでパラフィンを思わせるニュアンスもある。

味:
最初はビターでスパイシー、クローブやペッパーを強く感じ、フレッシュな酸味も伴う。中盤から控えめながらシロップのようなスイート、ワクシー、オレンジ等の柑橘系のドライフルーツの印象が強い。終盤に向かってクリーム、ウッディ、少々刺激的な口当たりが押し寄せる。フィニッシュで刺激的な口当たりから穏やかに変化、オレンジピールなどのフレッシュフルーツ香を残しつつ、ドライに切れ上がる印象。刺激的である一方で、さらっとした口当たり。

感想:
香りではオレンジや洋梨を中心にフレッシュで甘いいんしょだが、味わいは比較的ドライでビター、かつスパイシー。アルコール刺激もそれなりに強く感じられる。中盤~後半に向かって甘さやフルーツが後追いしてくる印象。余韻でオレンジが残る。加水すると角が取れ、オレンジやピーチのようなフルーツ感と薬草的な青さが前面に現れる。瓶熟でどこまで伸びるのか期待。

評価: 3(可も不可もなし)~ 4(美味しく感じる)

コスパ:値段相応
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シグナトリーが英国のウイスキーバイヤー、ウイスキーエクスチェンジ向けに販売したボトルで、前回レビューしたシグナトリー×信濃屋ジョイントボトル第2弾、グレンロッシーのシスターカスクにあたるものです。
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使用されている樽は双方ともホグズヘッド。おそらくバーボン樽と考えて間違えないでしょう。ボトリングの時期も2ヶ月程度(信濃屋:3月、エクスチェンジ:5月)の差であり、度数もほぼ同程度。ただし、ボトリング数は70本程度の差が生じています。

味わいとしては信濃屋ロッシーと似た方向にありつつも、こちらの方がわずかにビター&スパイシーが先行するイメージ。余韻も結構ドライで甘さ控えめな印象でした。

個人的にはもっとスイートかつフルーティなものを期待していたのですが、現時点では期待していたほどのスペックではない模様…。信濃屋ロッシー同様に瓶熟にて今後様子見していく必要がありそうです。

余談ながら、1992ヴィンテージのグレンロッシーは2017年頃にシグナトリーより複数本がリリースされていたようで、これら2本の他にシグナトリービンテージのシリーズとして直接販売されたものが現在確認できます。機会があれば他のリリースも試してみたいですね。

今後の味わいの伸び方次第ではコスパ優良なボトルに変化する可能性もあり、半年~1年ぐらいかけてゆっくりと様子を伺っていきたいと思います。

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