日本で最古参の蒸溜所といえば言わずと知れたサントリー山崎蒸溜所であるが、実はそれより以前にウイスキー製造免許を取得している蒸溜所が、しかも案外近所に存在していた事実は意外と知られていない。
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江井ヶ嶋酒造。兵庫県明石市、瀬戸内海に面した場所に本社工場を持つ酒類メーカーであり、1888年に設立、1919年にウイスキーの製造免許を取得している。取得後すぐにはウイスキーの製造は行われず、実際に製造が開始されたのは1960年代頃、奈良県のシルバーウイスキーから製造設備を譲り受けてからとされる。
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1984年には新たに「ホワイトオーク蒸溜所」棟が建ち、以降はこちらでウイスキーを製造している。江井ヶ嶋酒造は元より日本酒の製造が主体であり、ウイスキーの製造は日本酒の仕込みが終わった夏頃に数か月程度行われるのみであったが、ウイスキーの需要が高まった現在は春頃から秋の中頃、日本酒の仕込み準備を始めるギリギリの時期までウイスキーの製造を行っている。
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また、一昨年までは使用するモルトのピートレベルは1種類(ライトピート)のみだったそうだが、昨年よりノンピートとヘビーピートを加えた3種類のバリエーションで製造が行われている。

古参ながらこれまで特段注目の的となることが少ない印象だった江井ヶ嶋だが、増産体制に入り、造られる原酒の幅が広がったことで可能性が大きく広がった。最近はイモシェリーカスクの商品を販売する等、実験的なリリースも見られ、ますます目が離せなくなっている。