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☆JURA AGED 26 YEARS
 HUNTER LAING
 ARDNAHOE DISTILLERY THE KINSIP
 One of 254 bottles

 度数:52.7%
 樽種:リフィルホグズヘッド
(状態) 開封直後/残量:90%程度/イベントにて

(テイスティング)
香り:
バナナフレーバーのケーキ、セメダインを思わせるケミカルなエステリー、青りんごフレーバー、青みを伴う穀物、塩ビのパイプ、僅かに磯の香り、オレンジやレモンのピール、フルーツのビネガー。

味:
ハニーシロップのスイート、アプリコットやリンゴのジャム、仄かにベリーのような風味、控えめに乾いたウッディ、レモンのピール、白い花のフローラル感、やや粉っぽいモルティ、ケミカルなエステリー。フィニッシュはエステリーと独特な磯の香り、少々のビターが中くらいに伸びる。アフターテイストにはライムのような柑橘が残る。時間経過でピーチやトロピカルフルーツのフレーバーも現れる。

感想:
全体的に棘が無く飲みやすいが、香りの面で少々ケミカル系エステリーの押しが強く、ビニールのような印象まで感じられた。時間経過でピーチやトロピカルフルーツのソフトな風味が出現。開栓すぐだったので、まだまだ開いていない様子だった。暫く置くことで真価を発揮しそうな雰囲気。ケミカルな部分も和らぐのではなかろうか。また、オイスターのような独特な磯の風味は、好き嫌いが分かれそう。加水で穀物感がよりクリーミーに変わる。

評価:3~4(可も不可もなし~ゆっくり楽しめるレベル)

コスパ:やや悪い

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近年創業のボトラーズながら既に高い知名度を得ているハンターレイン社。

アイラ島9番目の蒸溜所であるアードナッホーを創業したことでも知られています。

そのハンターレイン社が、件のアードナッホー創業を記念して発売したシングルモルトシリーズが「ザ・キンシップ」です。

「キンシップ」とは「親族」や「血縁関係」など親密な繋がりを意味する言葉だそう。ハンターレイン社が自社ストックの原酒からの選りすぐりをボトリング・リリースしたもので、かなりハイエンドな仕上がりになっているとのことでした。

実際、価格設定もかなりアッパーであり、今回のようなイベントでの試飲でなければちょっと手が出ないところでした。

尚、このジュラ26年はザ・キンシップの2018年リリース時の1本にあたり、他にはハイランドパーク21年、スプリングバンク25年、ボウモア21年、ブナハーブン30年、ラフロイグ20年といった錚々たるメンツが揃っていました。

そんなアッパーなクラスの本ボトル。リフィルホグスヘッドらしい、クリーンで角の無い味わいがとても良い…はずだったですが、少々ケミカル系エステリーが強すぎる感があり…。その強さたるやフルーツフレーバーを通り越してビニール系に至り、個人的には配管の塩ビパイプを連想するほどでした。

これ以外はアッパーグレード品だけあってかなり優秀で、特に時間経過で開いてくるピーチやトロピカルは結構いい感じ。オイスター的磯っぽさは、ジュラらしさと取れれば寛容できるレベル(好き嫌いは出るとは思いますが…)。纏まりも悪くなく、なんとも惜しい印象でした。

まあ、開栓ほぼ直後でしたし、時間経過で強いフレーバーがこなれ、開いていなかった部分が表出すればもっと良い、値段に敵った味わいに変わることでしょう。そのあたりも含めて良い勉強になった1本でした。

こういう良いボトルがリーズナブルに試飲できるのもイベントならではの楽しみ。

以前と同じ…には戻せないんでしょうけども、願わくば形を変えてでも定番イベントは復活してほしいところです。