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☆TORMORE Distilled 1988
 THE TASTER
 AGED 28 YEARS

 度数:49.3%
 樽種:バーボン樽
(状態) /残量:60%程度/バー飲み

(テイスティング)
香り:
濃くて押しの強いモルティ、やや青くて素朴な雰囲気の穀物感、芋羊羹、白桃シロップ、やわらかいハーブの風味。

味:
桃の缶詰、ドライマンゴー、ライチ、ビターも伴う。透明感のスイート、オレンジオイル、香ばしい穀物感、干し草っぽいニュアンス。フィニッシュはドライ寄りだが、フルーティーな甘さも感じられ、長く伸びる印象。

感想:
香りではモルトの穀物感が先行、味はもっぱらフルーティ。穀物感の部分は少々野暮ったくもっさりした印象。味わいがとにかくフルーティ押しで、フルーツのコンポートやシロップを口に含んだようなジューシーな、それでいて透明感の伴うスイートが魅力的。口当たりは度数相応で強くも弱くもない。加水すると曇った穀物感が前面に出、僅かにインクのようなニュアンスが現れる。

評価: 4~5 (ゆっくり楽しめる~非常に美味しい)

コスパ:値段相応~良い

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トーモアはシーバスブラザーズ傘下の蒸溜所で、主にバランタイン等のブレンデッド用原酒として供給されています。また、シーバスブラザーズ傘下の中では、おそらくトップレベルのマイナー蒸溜所で、オフィシャルボトルのリリースは一応あるものの非常に少なく、国内の一般市場で手に入るオフィシャルボトルは殆ど無い印象。いち飲み手としては、ほぼほぼボトラーズ頼りの蒸溜所なわけです。

しかしながらそのボトラーズでのリリースも決して多いわけでなく、目を引くこともなかなか多くないためスルーしてしまいがち。特別目に付いて購入しない限りはバーでの出会いがしらに期待するしかないのですが…今回はそんな出会いがしらで出会ったトーモアなわけです。

このTHE TASTERは、日本のウイスキー専門インポーターであるスコッチモルト販売からリリースされたシリーズ。

味わいとしては、他のシーバス傘下ブレンド供給用蒸溜所のモルトに散見される野暮ったいモルト感と透明感のあるフルーツの甘みが主体。細すぎず太すぎずな口当たりで、思った以上に抵抗なく飲める印象。

特別何か飛び抜けたニュアンスも、深い重層感もありませんが、無難に、そして比較的手頃に飲める綺麗な近年スぺイサイドモルトとしては、大変うれしい1本でした。