ウイスキー好きの"今夜も飲む!"

ウイスキーとその蒸溜所を愛し、年間10回以上蒸溜所を訪問。ウイスキーの良さと蒸溜所見学の楽しさを皆様に知っていただきたいと思います。2019年、ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル取得。

カテゴリ:スコッチ > グレンアラヒー

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☆GLENALLACHIE  AGED 15 YEARS
 度数:46%
 樽種:PXシェリー、オロロソシェリー
(状態) 開封時期不明/残量:60%程度/バー飲み

(テイスティング)
香り:
レーズン、焼きたてのバゲットの香ばしさ、ココアパウダー、バルサミコ、カシス、プルーン、ビターと湿り気を伴うウッディ。

味:
シェリーカスクらしいドライフルーツとベリーのスイート、少々のホコリっぽさとビターを伴うウッディ、湿った木材も。中盤からバルサミコまたはベリーの酸味、クローブ、オールスパイス、香ばしさのある穀物。フィニッシュはタンニン、ベリー、意外とあっさり。余韻でグレープジュースの後味、カスタード。

感想:
シェリーカスクらしいドライフルーツのスイートが全面に出ているが、意外とあとに残らずあっさりと飲める。ビター感もはっきりしているがだが、しつこくなく、あっさりしていて心地よい。加水にも結構耐え、ビターが押さえられタンニンとベリーが伸びる。原酒由来のモルティがやや抑えられ、カスクが若干前のめり気味。だがシェリーシェリーせず飲みやすい。


評価:3(日飲みできるレベル~美味しく感じる/ゆっくり楽しめるレベル)

コスパ:良い

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2017年にペルノリカールから買収され、独立系となったグレンアラヒー。以後、続々とシングルモルトをリリースし、早くも市場に定着したイメージがあります。

そんなグレンアラヒーのミドルレンジ、15年は今年の1月にリリースされたボトル。樽使いはシェリー&シェリーと一見コテコテな仕様なのですが、飲んでみると思いの外軽くてクリアー。ありがちなベタベタ重い甘さが控えめで、非常に飲みやすい仕上がりでした。

ただ、アラヒーらしいモルティさが少し隠れてしまった印象。やはり甘口シェリーカスクにはあの太いモルティでも敵わなかったようです。

しかしそれはそれ、十分楽しめる良い味わいでした。そしてこのクオリティでボトル1万を割り込むのは嬉しい。やっぱりコスパも大事ですねぇ…。

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☆GLENALLACHIE SINGLE CASK 2006
 CHICHIBU WHISK(E)Y MATSURI
 AGE 12 YEARS
 度数:59.4%
 樽種:BOURBON BARREL #111859
(状態) 開封直後/残量:80%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
酸味の効いたリンゴジャム、乾いたオークの木材、アプリコット、ホワイトペッパー、クローブ。ハーブティーやジンジャー、バタークッキーのようなスイートもある。

味:
しっかりとフルーティな酸味や甘み。中盤からハーブ様の青っぽさを伴ってウッディ、しっかりと太いモルティ。終盤にかけてバターのようなファッティやビターなタンニン。フィニッシュにかけて強めの刺激とビター、青っぽさが残る。後味はドライ。

感想:
比較的わかりやすいバーボンカスク味と、酒質の強さ由来の線の太いモルト感がメイン。刺激は度数なりに強いが、飲みごたえと味わいの強さが感じられ好印象。やや値ごろ感には欠けるが、12年熟成としては優秀か。加水にも十分耐える。

評価: 4(美味しく感じる/ゆっくり楽しめるレベル)


コスパ:値段相応~やや悪い

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今年の秩父ウイスキー祭2020で限定販売されたグレンアラヒーのシングルカスクです。

個人的には購入時点であまり期待しておらず、別のボトルと抱き合わせで注文した程度の心づもりでした。加えて他の商品が軒並み応募多数の抽選販売になる中で通常販売される始末。個人的前評判はよくありませんでした。

そんな評価が覆ったのがつい先日。こんなご時世故外飲みできず、ひたすら家飲みを堪能している中で不意に思い出し開栓したのがきっかけでした。

一口飲んでびっくり。これはなかなかの代物だな、と。とんでもなく突き抜けた味わい、とまでは言いませんが、12年のカスク物としては十分な味わいでした。

味わいとしては、特に最近のバーボンカスク系によく感じられる香り(個人的にハーブやスパイス、フルーツの酸味と思っています)と線の太いモルティが全面に現れており、なかなかの好印象。

加水にも耐えうるボディを持っており、今後の瓶熟の具合によってはさらに開く可能性も感じられ、今後の期待値も十分。

いや、やはりボトルの評価はちゃんと飲んでからにすべきだな…と反省した次第です。


【グレンアラヒー蒸溜所】
1967年にマッキンレー・マクファーソンによって創業された蒸溜所で、スペイサイドでは比較的新しい蒸溜所。1985年にインヴァーゴードン、1989年にはペルノリカールと親会社を変えつつ、ブレンデッド用原酒供給源として操業を続けた。

その後、かのビリー・ウォーカーによって酒質の良さを見出され、買収。現在は独立系のメーカー(グレンアラヒー・コンソーシアム)の蒸溜所として稼働している。

ペルノリカール以前は、シングルモルトとして殆どリリースされていなかったが、現体制に移行してからは数多くのシングルモルトをボトリング、リリースしている。
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