ウイスキー好きの"今夜も飲む!"

ウイスキーとその蒸溜所を愛し、年間10回以上蒸溜所を訪問。ウイスキーの良さと蒸溜所見学の楽しさを皆様に知っていただきたいと思います。2019年、ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル取得。

カテゴリ:スコッチ > バルブレア

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☆BALBLAIR
 AGED 25 YEARS
 度数:46%
 樽種:バーボン樽→スパニッシュオーク樽
(状態) 開封後数日以内/残量:90%程度/イベントにて

(テイスティング)
香り:
ビターなココア、洋梨のコンポート、チョコクリーム、年季の入ったオーク材、アメリカンチェリー、モルトの香ばしさ、乾燥した麦わら。暫く嗅ぎ続けると奥からスモモ、リンゴジャム、酸味を伴うエステリー。

味:
軽めなスイート、オーク様なウッディ、強めのビターを伴うタンニン、ハイカカオチョコレート、控えめにドライフルーツのニュアンス、オールスパイスを思わせる甘いスパイシー、フィニッシュはタンニンとナッティ、ビターが混じり合う。アフターテイストはモルティとビター。ビター感は少々口腔内に貼り付き残る。また全体的にピリピリとした刺激あり。

感想:
結構ビターが支配的。加えて度数のわりに刺激感が強く、若々しさとは違う棘を感じる印象。オフィシャルの長熟としてはやや当たりが強く、飲みにくい。バルブレアらしいニュアンスは香りの一部に残る程度で、味わいでは強いビターとウッディ等、明らかに樽感が支配的で他の要素を潰してしまっている。また、ビター感はいつまでも残る。加水でエステリーが多少伸びる印象だったので、時間経過で改善が期待できるのかもしれない。

評価:3(可も不可もなし)

コスパ:悪い

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さて今回は久々にイベント飲み。

阪急英国フェアにて飲んだボトルの紹介です。

まずはバルブレア25年。

2019年にラインナップが全面リニューアルされたバルブレア。以前のシングルヴィンテージリリースから年数表示品に変更となりました。

エントリーグレードとしての12年、ミドルグレードな15、18年、そして25年はアッパーグレードな位置付けの商品となります。

さて、以前12年物に関してはテイスティングレビューを書きましたが、以前のヴィンテージリリースに比べて幾分劣る印象でした。 

で、それを受けての今回。

事前情報でスパニッシュオークが熟成に使用され、実際に酒色がアンバーカラーであるのは知っていたので、おおよその味わいとして程々の熟成感とドライフルーツ、少し強めのウッディとバルブレアらしい太いモルティ、種々のオリエンタルスパイシー、あわよくばスイートなフルーツなんかも!と期待していたの  で  す  が…

まぁ、結果は上記の通り。肩透かし…を通り越してちょっと残念な雰囲気。

やたらとビターとウッディが主張しており、フルーツや力強いモルト感等々の「バルブレアに期待する味」が、強めの樽感によって追いやられてしまった様子です。辛うじてある程度残ったのは一部のスパイス感ぐらい。ちょっとこれでは辛いですね。

加えてなかなか(相当)強気な価格設定で、まあボトルを買うのは(値段的にも味的にも)難しいでしょうし、バー飲みで推奨できるかというと…少々厳しいかなぁと…。

まあ、これ以上はただの悪口になってしまいますので控えますが、しかし、いちファンとしては少々残念に思える結果でした。

ただ、このボトルは今回のイベントの為に新たに開栓された、開栓直後のものであり、香りも味も開いておらず、本領を発揮できないなかったのかもしれません。

いつか、それも検証したうえで、改めて評価ができればいいな、と思っています。

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☆BALBLAIR 1997 SINGLE CASK
 Distilled 1997 Bottled 2015
 SHINANOYA TOKYO
 度数:52.2 Cask No. 909
 樽種:1st FILL BARREL
(状態) 開封後1年/残量:60%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
甘やかで少々溶剤的なエステリー、梨、リンゴ、ミルクのキャンディ、乾いた穀物の香ばしさ、透明感のあるスイートも感じる。仄かにウッディなビターとホワイトペッパーのスパイス感もあり。時間経過で次第にオレンジオイル。

味:
オレンジピール、ビターを伴うウッディ、クリアーなエステリー、香ばしい穀物、ボタニカルなニュアンス。終盤からはクリーミーで少しオイリー、加えてジンジャーやスパイス。フィニッシュはクリーミーでスイート、一拍置いてオレンジビター、仄かにカカオのようなニュアンスもある。後味にはシトラスの風味にバナナが混じる。

感想:
香りではリンゴや梨のエステリー、味ではオレンジが先行する。全体的に甘やかでクリーミーかつビター。程よくウッディで芯が太く、フィニッシュから後味まで長くスイートが続く。加水ではエステリーがやや強調され、クリーミーは影を潜める印象。少々アルコール感が強いが、許容範囲。後味に抜けてくるシトラスとバナナが心地よい。

評価:4(美味しく感じる/ゆっくり楽しめるレベル)

コスパ:値段相応~高額だが納得

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2016年に信濃屋がリリースしたバルブレアのオフィシャルプライベートボトル。バルブレアにおいては国内では初のオフィシャルPBだったようです。

味わいはオレンジや主張あるエステリーを筆頭に、クリーミーで香ばしいモルト感とスイート、そしてビターが主体。ウッディやスパイシーはそこまで前面に出ず、味を邪魔せず引き立てる印象です。

中熟のバルブレアとして期待する要素を概ね全部持っているイメージ。ただ、度数のわりに少々アルコール感が刺激的に感じられました。まあそれも含めて中熟ならではと言ったところでしょうか。良く言えば飲みごたえと飲みやすさが同居できているイメージ。どちらにせよ完全にネガティブ、という訳ではありません。

少し度数落ちすれば、また香り立ちも変わってくるかもしれませんね。そういった点でも長く楽しめそうな1本かと思います。

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☆BALBLAIR 12(AGED TWELVE YEARS)
 度数:46%
 樽種:EX-BOURBONCASK &
    DOUBLE-FIRED AMERICAN OAK CASK

(状態) 開封後2週間/残量:80%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
ハチミツ、オレンジピール、オレンジシロップ、焼き立てのパン、焙煎した穀物、リンゴのような酸味のあるエステリー、ボタニカルなビター、少々ケミカルなニュアンスもある。比較的シンプルな印象。

味:
シトラスフルーツの酸味、やや強いビターを伴うウッディ、中盤から穀物の香ばしさ、シロップの甘さ、若さを感じるモルティ、ホワイトペッパーやオールスパイス、若干のジンジャー。全体的にライトでフラット気味。フィニッシュはライトでさっぱり。余韻でハチミツようなスイートと粘性のあるビターが残る。

感想:
ライトでフラット。ビターがかなり主張しており、他の要素が若干押され気味。オレンジ、スパイス、ジンジャー、ハチミツなど良い要素も多く持ち合わせているが、弱い。熟成感よりも若さや荒っぽさが少々目立つ印象。加水でよりビターが際立ってしまい、他の要素が消えてしまう。アルコール感はやや強い。

評価:3(可も不可もなし)

コスパ:値段相応~やや悪い

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2019年にリニューアルされ、ヴィンテージシリーズからシンプルな年数表記物に切り替わったバルブレア。今回は昔(90年代終盤)のようなNASはラインナップになく、12年が実質的なエントリーグレードとなります。

ただ、エントリーグレードと言いつつ、値段はそこそこ張る印象。生産量の問題や昨今のウイスキーブームに伴う原酒不足等々が背景にあることは重々承知ですが、やはりちょっとお高い印象です。

味わいのほうは、エントリーグレードなだけあってバルブレアに期待する要素がちゃんと含まれている…のですが弱い。

全体的に樽由来らしきビターなウッディの押しが強すぎて、他の良い要素が潰れてしまっている印象です。加えて46%というオフィシャルエントリーラインとしてはハイプルーフな設定も手伝ってか、アルコール刺激と原酒の若さを強く感じてしまう印象。

加水すればなんとかなるのかと思いきや、ビターのみが浮いてしまい僅かに残ったフルーティやらスイートやらが見事に消滅。原酒が若い故か、味の淡泊さが大いに目立ってしまう印象でした。

使用している樽はおなじみバーボンカスクと、ダブルファイアード・アメリカンオークカスクという聞きなれない樽。直訳すれば「2回焼いた」ということになりますが…正体不明です。単純に2回チャーリングした樽とも、トースティング後にチャーリングしたとも、場合によっては使用後にリチャーリングした再活性樽という意味ともとれます。まあどちらにせよ謎は深まるところですが…。

尚、この樽は12年物にのみ使用され、15年以上の上位グレードでは使用されておらず、代わりにスパニッシュオークやオロロソシェリーカスクが使用されています。

現行シリーズ全体の良し悪しについては、まだ上位グレードのテイスティングの機会を得ていないのでなんとも言えませんが、12年を試した段階でやはりというかなんというか、年々淡泊でライトになってしまっているという流れには完全に乗ってしまっている印象でした。

ただ、バルブレアはプライベートボトリングでここ一番を炸裂させてくることが多く、決して原酒自体が無いとか根本的に悪くなっているといった印象ではありませんでした。つまり、良い原酒のストックはあるということです。願わくばそういう原酒を少しずつでもオフィシャルリリースに回してもらいたいところですね…。

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☆BALBLAIR Aged 16 Years
 (オフィシャル)
 度数:40%
(状態) 開封後1年半/残量:70%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
プラムのような酸味の伴うエステリー、リンゴ、香ばしいモルト、土っぽさをもったピーティ、腐葉土、朽ちた木々。漢方のような薬草の香りもある。

味:
ビターと柔らかい酸味が先行。徐々にウッディとスパイシーに移行。土っぽさをアクセントにしつつ、実山椒のような刺激も存在。終盤にはモルトの香ばしさが出現。フィニッシュは意外と長く、ウッディとタンニン、小豆を思わせるスイートが伸びる。後味は比較的ドライ。

感想:
低めの度数ながら、思いの外しっかりとした味わい。全体的に起伏が小さく、素朴な雰囲気ではあるが、悪くない。香りでは土っぽいピートがはっきり出ているが、味ではそこまで主張せず、良いアクセントに終始。地味ながら悪印象のない味わい。加水でビター感が増す。意外とボディは崩れにくい。

評価:3~4 (日飲みできるレベル/美味しく感じる)

コスパ:値段相応

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ヴィンテージシリーズの発売される以前にリリースされていたボトルで、同時期の物としてはNASの「エレメンツ」があります。具体的に何年頃のリリースかは不明ながら、ラベル明記の会社名がインバーハウスであることから、少なくとも1996年~2005年の間と思われます。

味わいとしては、全体的に振り幅の少ない、フラットかつドライな印象。一時期のオールドオフィシャルボトルで感じられることが多い味わいと似ています。

しかしながら、フラットの中にもしっかりとモルトの太さやスパイシーさも含まれ、ちゃんとバルブレアらしさも持ち合わせています。一方、近年のものと大きく異なって、土っぽい内陸系ピートのフレーバーが、このボトルには感じられます。もしかすると、アライド時代には一部、ピーティな原酒を仕込んでいた時期があったのかもしれません(このあたりの情報は調べても出てきませんでした…)。

このピートの風味、決して味わいを邪魔せずスパイス的に効いており、意外といい感じです。雰囲気としては、過去のOBグレンギリーに似ています。

不明な点は幾らかあるものの、かつてのバルブレアを知るには良い教材かと思います。

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☆BALBLAIR 1979 (オフィシャル)
 Bottled in 2007
 度数:46%
(状態) 開封後8ヶ月/残量:60%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
ソフトだが主張のあるエステリー、リンゴジャム、バナナ。スイートなナッティ、マジパン、クリーム。僅かに柔軟剤っぽいフローラルもある。次第にオレンジピール、ビネガー。全体的に柔らかくてスイート。

味:
最初こそソフトだが、徐々にパワフルに。序盤はオレンジオイルとキャラメルクリーム。中盤からはビター、ウッディ、ペッパーが加わる。さらにソフトで穏やかなエステリー、オイリーを伴うナッツまたはクリームも出現。終盤からは次第にドライに切れ上がり、フィニッシュではソフトなウッディと、仄かなフローラルとエステリーが感じられ、乾いたビターとスパイスの余韻が残る。

感想:
香りは非常にソフトでエステリー&ナッティの柔らかい印象だが、いざ飲んでみると思いの外ビターでスパイシー。結構パンチが効いている。フィニッシュはそれほど長くなく、意外にもあっさりで、メリハリが効いた口当たり。飲み進めるとパンチの中にスイートやエステリー、クリーミーなニュアンスが重層的に現れ、後を引く。加水するとよりシャープな口当たりに変化。ウッドとオイリーなニュアンスが強調される。

評価:4~5(ゆっくり楽しめるレベル/非常に美味しい)

コスパ:値段相応

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バルブレアがオフィシャルボトルをヴィンテージシリーズに置き換えた際のファーストリリースのうちの1本。同時リリースには1989、1997ヴィンテージがあったようです。

味わいとしては、長熟らしい柔らかめなエステリーに、香ばしさとリッチ感の合わさったナッティ、クリーミーにこなれたモルティと多彩。樽感もいい具合の効き方で邪魔しない印象。加えてボディの太さ、モルトとスパイシーがはっきりと感じられる、安定感・満足感ともに抜群の1本です。さらに加水品ながら、これから開いてくる要素も期待できるところ。まだまだゆっくり楽しめそうです。

しかし、、やはりバルブレアはこうでなくちゃ、、とは無い物ねだりなんですかね(汗
懐古厨になってはいけないと思いつつも、、ね。

最近リニューアルされた年数表記ボトルではボディが結構細く、味わいもモルト感よりも若いイメージが先行する印象。それに比べこのボトルは…それこそ良い時代の遺物であり、今後ますます出会う機会の減る味わいと思うと、なんとも残念至極ですね。

しかしながら、前回のレビューでアップしたハイランドウィスキーフェス向けの1997シングルカスクのように「これぞバルブレア!」といった方向性の原酒もちゃんと残されている様子。

またこういうボトル出ないかなぁ…

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☆BALBLAIR 1997 (OB)
 HIGHLAND WHISKY FESTIVAL EXCLUSIVE
 FILLED ON “1st may 2019”
 度数:56.7%
(状態) 開封直後/残量:90%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
ツンとするエステリー、バナナ、メロン。香ばしい穀物感、ややビターなウッディ、ナッツ入りのミルクチョコ、ミントとミルクのキャンディ、若々しい雰囲気とフルーツのスイート感が混在。

味:
最初に押し出しの強いウッディとエステリー。僅かに石鹸のようなニュアンス。中盤からオイリーでクリーミー。オレンジソース、アーモンドクリーム、ホワイトペッパー。少々青みも感じられる。フィニッシュは意外と穏やかで、焙煎したような香ばしいモルト、クリームのフレーバーが残る。全体的にリッチでスパイシー、かつドライ。飲み進めると洋梨や白ブドウのようなニュアンスも現れる。

感想:
香りではエステリーが前面に出る印象だが、味わいとしては結構ファッティでスパイシー。骨太な印象だが相当ドライで、まだまだ開いていないと思われる印象。ドライだが決してライトではない。骨太で、近年のバルブレアの中でもなかなか飲みごたえのある1本。

評価:4(美味しく感じる/ゆっくり楽しめるレベル)

コスパ:値段相応

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バルブレアが、スコットランド本土・ハイランドエリアで開催される「ハイランド・ウィスキー・フェスティバル」向けに限定発売したボトル。

カスクタイプは未記載ですが、味わいから予想するにバーボンカスクでしょう(※海外記事にて“Ex-Bourbon Cask”表記あり。2020.08.12追記)。香りはややエステリーの押し出しが強め。遅れてナッツやクリーム系のソフトな甘い香りが前面に感じられました。一方で味わいはファッティ&ドライ。フルーツの要素も見え隠れしますが、まだまだ開栓直後ということもあってか、固い印象でした。何気にうっすらとフローラルなニュアンスも見え隠れ。放置でどれだけ開いてくるか、期待です。

バルブレアは比較的マイナーな部類のシングルモルトながら、しっかりとしたボディと分厚いモルト感が好印象なウイスキーです。アライド社所有時代にはバランタインの主要な原酒供給元として知られており、シングルモルトでの発売は極めて限定的でした。

シングルモルトとしてのリリースが活発化したのは現在のインバーハウス傘下になってから。当初はノンエイジと16年等数種の年数表記物で発売されていたようですが、2007年からはシングルヴィンテージ品のみを定番商品としてリリースするという異例のラインナップを見せました。しかし、世界的なウイスキーブームの中で原酒量が厳しくなってきたようで、2018年にはシングルヴィンテージでのリリースを終了。12年~25年の年数表記物に置き換えられてしまいました。

このボトルはシングルヴィンテージシリーズの終売後に登場したもの。

過去のシングルヴィンテージシリーズは物により差はあるものの、加水品ながら概ね厚みのある味わいと線の太さが個人的に好みで、かなり愛飲したシリーズでした。が、新ラインナップへの切り替わりで味わいが若くてライトな方向にシフト。加えて全体的な価格の上方修正によりコストパフォーマンスが合わなくなったために敬遠。以降しばらく疎遠になっていた次第です。

そんな中で故あって手元に来たこのボトルは、かつてのシングルヴィンテージの品々を彷彿とさせてくれるような厚みとナッティな甘い香りが好印象な一本でした。

やっぱちゃんといい原酒も持ってるんですねぇ。そして出るところには出ると。

バルブレアは最近ボトラーズでのリリースがとんとご無沙汰で、ちょっと寂しかったところ。こういうリリースは本当に有難く、そして次のリリースが待ち遠しいです。

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☆BALBLAIR aged 10 years
 GORDON&MACPHAIL
 度数:43%

(状態) 開封後2年程度/残量:40%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
スイートなモルトの香り、青リンゴを思わせるフレッシュフルーツ、少しくぐもったエステル、干し草。

味:
控えめなスイートとフレッシュな酸味、はっきりとしたビターを伴うウッディ、バタートーストを思わせるオイリー、バニラクリーム、僅かに青リンゴフレーバー、全体的にシンプルにまとまっているイメージ。フィニッシュにかけて籾殻(もみがら)のような乾いた香ばしさが感じられ、比較的ドライに終わる印象。余韻もかなりさっぱり気味。少し若々しい刺激もある。ボディは意外としっかり太いイメージ。

感想:
全体的にシンプル&ドライ。樽由来のニュアンスはあまり強くなく、どちらかというとニューポット由来と思われる粉っぽいモルティと乳製品っぽいオイリーが主体。フィニッシュも短くドライでシンプル。10年物らしく若い荒っぽさも感じられる。加水すると、よりビターでモルトの香ばしさが際立つ印象。逆にスイートさは遠のく。

評価:3(可も不可もなし/日飲みできるレベル)

コスパ:値段相応~やや悪い

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ボトラーズのゴードン&マクファイル社からリリースされている、所謂蒸溜所ラベルシリーズの一本。

バルブレア蒸溜所が標榜するビターでモルティ、かつドライな味わいをしっかりと体現した味わいで、短熟らしく樽感よりも酒質由来の風味がメインなイメージです。

樽に関しては特に記載がありませんが、色・味わいからバーボン樽メインまたはバーボン樽オンリーと考えて間違いないかと思います。10年表記ながら非常に樽感がライトなことから、セカンドフィルとも推測できます。

どちらにせよ、樽由来の要素が少なく、バルブレアの原酒本来の味わいを存分に堪能できる一本。色々試す前にキャラを把握するには丁度良いかと思います。願わくば値段がもうちょい手頃なら助かるのですが…。

Balblair 1990(AGED 23 YEARS) Kingsbury CASK NO.10116 REFILL SHERRY
Alc.52.9
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評価:6 point (10 point 満点中)

(コンディション)
自宅にて。開封から約1年、量はボトル3分の1程度、グレンケアングラス使用。

(見た目)
ややアンバー寄りの濃いゴールド、少々粘性あり。

(香り)
ハチミツ、完熟の黄桃やアンズ、ワックスや使い慣らした革製品、徐々にレーズンや薄めたバルサミコのようなドライフルーツ感とココナッツのような香ばしさが表れる。シェリー樽感は強すぎず、全体的に穏やかで控えめ。

(味)
最初は渋みが強い。時折墨汁のような風味も見え隠れする。渋みが引いてくるとドライフルーツやカスタード、あっさりした甘みを感じる。終盤も渋みは残り、モルトの香ばしさやウッド感、少々のスパイシーさと共に余韻に続く。刺激感は度数相応。余韻は比較的長く穏やかだが、少々ドライな印象も感じる。

(感想)
香りは穏やかながらもネガティブな要素が少なく、個人的には好きな部類。シェリーカスク系に有りがちな強すぎるシェリー感、甘すぎるドライフルーツ感が無く、穏やかであっさりした印象。ただ、人によっては個性が足りないと感じるかもしれない。一方で味ではやや渋みが強く、バルブレアらしい香ばしいモルト感やウッディな要素が隠されてしまっている印象。ただ、飲み口としては悪くなく、余韻も穏やかながら長続きしてくれるので楽しみ方次第なのかもしれない。


元々それほど突出したポイントを持つわけではないバルブレア。一般的にいわれるところのハイランド系の素朴なモルティさとスパイシーさが好印象なウイスキーだが、このボトルではその良さがリフィルシェリーカスク相手に少々負けてしまっているような印象だった。ただ、所謂シェリーカスク系の強すぎる要素は無く、樽由来と思われる渋みが気になる程度。余韻にかけていつものバルブレアもある程度感じられるので不満はない。

開封から1年近くが経過し、飲みやすさから量も大分減ってきていたためか、以前よりもフルーティさが抑えられ、渋みを感じやすくなっているような印象であった。

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