ウイスキー好きの"今夜も飲む!"

ウイスキーとその蒸溜所を愛し、年間10回以上蒸溜所を訪問。ウイスキーの良さと蒸溜所見学の楽しさを皆様に知っていただきたいと思います。2019年、ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル取得。

カテゴリ:ジャパニーズ > ニッカウヰスキー

2日目は製樽作業の見学からスタート。

昨日キルン塔でたっぷり燻され焚火の香りとなったツナギに着替え、前日同様雨の中の移動となった。
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製樽工場では実際に蒲の葉を樽の隙間に通して詰める作業の体験の他、樽の修理、チャー等実際の作業を間近に見学。スタッフの方からは日々の製樽作業のポイントや苦労など様々なお話を伺うことができた。

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お次はいよいよ原酒の樽詰め作業へ。
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この会のために用意された樽に専用のタンクからニューポットを注いでゆく。
少量だがニューポットの試飲も経験。直火焚き蒸留らしい、重厚な味わいだった。

ここで天候が好転。一時は樽の運び込み体験が省略される可能性が出ていたが、無事、行える運びとなった。
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馴れない樽運搬に四苦八苦しつつ、無事運び込み完了。これにてマイウイスキーづくりの全プログラムが終了となった。
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最後に昼食を頂きながらの修了式。余市マイウイスキーづくり修了証が1人づつ授与された。これを持ていると余市蒸留所再訪時、自分達のマイウイスキー樽を見学することが可能とのこと。なかなか嬉しい特典である。

10年後には自分達の樽からシングルカスクウイスキーがボトリングされ、さらにこの回のメンバーで再び集まり10年目の懇親パーティが開かれるとのこと。後にもまだまだ楽しみが残された訳だ。10年目の再会を皆々と約束しつつ、解散。帰途に就いた。

(終わり)

以上、ざっくりではあるがマイウイスキーづくりの内容であった。

記事の通り、ウイスキーファン歓喜の内容が目白押しであり、次から次へといろいろな体験が用意されている。各工程の体験では実際にその部門の現場のスタッフの方から説明、方法のレクチャーが行われ、写真撮影の時間もたっぷり確保される等かなり配慮の行き届いた充実のプログラムであった。

また、各自の質問にも随時お答えくださり、普段聞けない現場の話もじっくり聞くことができた。

今後まだまだウイスキーブーム冷めやらぬ中で応募も増え、なかなか参加の機会に恵まれ難い状況が続くだろう。しかし、諦めず応募いただき、是非参加していただきたいと思う。それだけの価値がこの会にはある。

2018年5月中旬の話ではあるが、幸運にも余市のマイウイスキーづくりに参加することができた。

既に1年以上前の話で恐縮であるが、本記事は参加時の様子を体験記として簡単にまとめてみたものである。
お暇な方は是非どうぞ。
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さて前回の記事で紹介した通り、マイウイスキーづくりは2日間にわたって開催される。といっても丸々2日間使う訳ではなく、1日目の昼過ぎから始まり2日目の昼で終了。遠隔地からの参加者にも十分配慮されたスケジュールとなっている。
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尚、この時はウイスキーブーム加熱の真っ只中だったことに加え時期が良かった(5月半ば)ということもあって応募が殺到。通常20~30倍程度(それでも十分多いが…)のところ約40倍もの倍率だったそうだ。参加枠が約20人であることを考えると今回だけで800人あまりの応募があったことになる。その凄まじき倍率を勝ち抜けたのだから本当に価値ある参加だったと思う。
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蒸溜所までは空港から小樽までJR特急で直通、小樽でローカル線またはバスに乗り換えて余市へと向かう。この乗り換え時間が曲者で、なかなか上手く乗り継ぎできない。小樽から先の函館本線が単線で本数が限られることが原因だが、そのために時に30分近く乗り継ぎ待ちになることもある。

そこでバスである。ちょうど昼時間帯には電車と前後して小樽駅前から出発のバスが運行しており、運賃も所要時間も電車とほぼ同等になため、都合の良いほうを選ぶことができる。自分はこの時ちょうど待ち時間なしで乗れるバスがあったため、これを利用した。
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さて余市に到着して早々に天候が悪化。集合時間前には本降りの雨となってしまった。5月中旬の北海道はまだ肌寒く、加えて雨降りで一気に気温が低下。春先とは思えない寒さの中での体験となった。

この日集まったのは総勢18名ほど。地元北海道はもとより東京、静岡、大阪、九州は福岡と全国各地から参加者が集まった。そしてなんとハワイからの参加者もおられ、ジャパニーズウイスキーの知名度の高さを思い知らされた。

1日目のスタートはまず座学。スライドを利用し、ウイスキーの製法やニッカおよび余市蒸溜所の成り立ちの説明がされた。その後外に出てキルン棟を見学、続いて糖化槽、発酵槽の順に見学を案内された。発酵槽の棟では麦汁とモロミを試飲。モロミは他の蒸溜所と比べて酸味の効いた味わいだった。
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お次はポットスチルへの石炭投入体験、糖化槽へ戻って清掃体験と肉体労働が続いて製造エリアの体験は終了。その後は構成原酒を使ったマイブレンド体験、旧竹鶴邸内部の見学を終え懇親会となった。
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悪天候だったことも手伝ってか若干ビジーな進行となった1日目だったが、各場所での解説、対応は大変丁寧で行き届いたものであり、満足度高めだった。また、最初は初対面であまり会話の進まなかった参加者同士も終盤になるにつれて打ち解け、懇親会ではお互い大いに盛り上がった。
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尚、懇親会では今年10年目を迎えたマイウイスキーづくりのシングルカスク余市(2008-2018)も登場。10年後に向けて大いに期待を高めつつ、1日目の終了となった。

2日目に続く

余市蒸溜所ではウイスキーファンに向け、年に数回とあるイベントを開催している。
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その名も「余市マイウイスキーづくり」である。

これはニッカウヰスキー主催で行われる一般客向けのサービスイベントで、余市蒸溜所および宮城峡蒸溜所の2カ所で開催されている。開催される回数は余市が年に8回、宮城峡が4回程度で、概ね金曜~土曜または土曜から日曜の2日間の日程で行われている。

「マイウイスキーづくり」は元々ニッカの得意先など、特別なゲストを集めて開催される身内向けの企画だったものを一般顧客向けにも開催したのが始まりだそうで、いまや酒類メーカー屈指のファンサービスイベントとして国内はおろか海外からも参加者が集まるほどの人気。毎年参加募集には応募が殺到するのが恒例であり、抽選によって参加者が決まるが、その倍率はざっと20~30倍、ときに40倍近くにもなるという。
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2日間の主な内容は、
(1日目)
① キルン棟見学およびピート燃焼の見学
② ポットスチルの直火釜への石炭投入
③ 糖化槽の清掃体験
④ 原酒のブレンド体験
⑤ 旧竹鶴邸の見学
⑥ 懇親会

(2日目)
① 製樽工場見学
② ニューポット樽詰め
③ 熟成庫への樽の運搬、搬入
④ 修了式

となっており、かなり盛沢山だ。さらに1日目には合間合間に一般見学では入ることのできないエリアの見学があり、麦汁やモロミの試飲も用意され、2日間通してニッカに限らず全ウイスキーファンにとって夢のような企画となっている。
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勿論、自分たちで詰めた原酒もちゃんと配布される。ただしそれはマイウイスキーづくりからきっかり10年後。息の長い話ではあるが、貴重な余市のシングルカスク、カスクストレングス10年ものを入手できると思えば惜しくない時間だろう。それに自分たちで詰めた樽が10年間掛けて熟成していく様を想像する楽しみもある。
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それに他の参加者とのコミュニケーションも楽しい。皆ウイスキー好きな方々ばかりで、自分が参加した時は北は北海道から南は福岡、加えてハワイから来られた方まで老若男女様々な出身地、そして様々な職業の方が参加されていた。そんな方々とウイスキーという一つの共通言語を元に情報交換から雑談までいろいろな会話を楽しめた。これもまたファンイベントとしての醍醐味だろう。

大変人気の企画であるため、まず抽選に当たらなければならないというハードルはあるが、しかし、ウイスキーファンなれば是非一度ご参加頂きたいイベントである。

北の大地には偉大なるジャパニーズウイスキーの父が建てた蒸溜所がある。ニッカウヰスキーの第1の拠点北海道工場、又の名を余市蒸溜所である。
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余市蒸溜所はまさしくニッカウヰスキーの創業の地。創業当初の建物をほぼ当時の姿のまま残しており、その多くが国の登録有形文化財に指定されている。
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その美しさは見ての通り。それは所謂現代的なマニュファクチャリングではなく、レトロモダン。一見して日本のウイスキー蒸溜所とは思えないほど美しく、時に異国情緒すら感じさせる風景だ。異国の雰囲気が感じられるのは言うまでもなく、この蒸溜所の設計者がかの竹鶴政孝御大であるからに他ならず、彼がウイスキーの本場スコットランドで見聞き学んだ事が随所に活きているからこそなのである。

故に、そんな風景を横に眺めながら敷地内を散策するだけでも価値があり、ここがニッカ創業の地と知らずとも、その異国情緒と建築物の美しさで十分楽しめる場所なのだ。

…と非ウイスキーファン向けのアピールはさておき、ウイスキーファンにとってもここは聖地。場内の見学では随所に見所が用意されている。
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その一つが言わずと知れた石炭直火炊きのポットスチル。今や(少なくとも有名蒸溜所では)世界でここだけ、ここでしか見ることのできない手法の、これまた実にレトロな光景なのである。

言わずもがな、現代の多くの蒸溜所はスチーム加熱で蒸溜を行うのが主流であり、例え直火炊きであっても殆どがガス(例外として静岡蒸溜所は薪)を燃料にしている。石炭直火はまだガスが燃料として一般に利用される前の、もっと昔にポットスチルの熱源に利用されていたものであり、近代化・工業化が進む中で既に廃れたものである。熱源としては極めて不安定で非効率、人力を必要とする作業を、今日もずっと続けているのだ。

それが例えビジターへのサービス的に残されている慣習だったとて、ファンの心をくすぐり、感銘を与えてくれることに他ならない。今後もきっと続けられるだろうし、続けてほしいと思う。

さて、これ以外にも見所は多々ある。今も外観と機能をそのまま残すキルン棟だったり、日本では珍しい平屋建てのダンネージ式ウェアハウスだったり、製造設備だけでもハイライトだらけなのである。
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そして忘れてはいけない旧竹鶴邸。
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見所盛だくさんだ。

勿論最後には製品試飲や直営のショップでの買い物が待っているし、資料を展示した博物館や有料試飲カウンターも備えられている。広大な敷地は先述のように文化財を見ながら散策するのにもうってつけだ。ウイスキーファンにもそうじゃない人にも、非常にオススメな観光地である。

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