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☆KOMAGATAKE(駒ヶ岳)
 Double Cask
 Tsunuki Aging
 Hojo Selection 2020
 Distilled:Apr.2013・May.2016
 [Finishing:Gin Cask]
 度数:54%
 樽種:Bourbon Barrel×2 ⇒ Gin Cask
(状態) 開封後数日/残量:90%程度/バー飲み

(テイスティング)
香り:
ナッツチョコ、キャラメルソース、灰と土のピーティ、針葉樹の木材、駄菓子のラムネフレーバー、乾燥したジュニパー、仄かにシトラスのニュアンス、ポテトサラダのようなファッティで粉っぽい穀物のイメージ。

味:
比較的尖った口当たり。ビターかつスパイシーさを伴うウッディ、シトラスのピール、レモンフレーバー、和山椒のホットなスパイシーさ、仄かに穀物系のスイート。ボタニカルなビター感と清涼感。次第に脂肪のファッティ、松ヤニが現れる。フィニッシュはライトかつドライ。

感想:
香り、味ともにジンらしいフレーバーが混ざる。また同時に若いバーボンカスク原酒らしいファッティさと乾いたウッディのニュアンスも前面に出ている印象。味わいは結構ドライでさっぱりした仕上がりで、香りほど複雑ではない。刺激的な面では如何にも若々しいが、ニューポッティな部分はジンカスク由来のフレーバーがカバーしているようだ。トニックウォーターで割ると、また違った印象に変貌し面白い。

評価:3(可も不可もなし)

コスパ:やや悪い
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マルス津貫蒸溜所に併設された「寶常」。

本坊家旧邸を改装したビジターセンターで、内装は古き良き日本家屋の中に、アンティーク調の家具・調度品と装飾が施された和洋折衷、モダンで美しい空間に仕上がっています。

ここには試飲用のバーカウンター、ショップが設置されているほか、食事用のテーブルや中庭を望むテラス席も完備。バーカウンターではマルスウイスキーの各製品が試飲できることに加え、コーヒーやソフトドリンク、軽食も可能です。

この寶常のショップ限定で販売されているのが「駒ヶ岳 津貫エイジング寶常セレクションシリーズ」。マルス信州で蒸溜された原酒を津貫で熟成させたものをボトリングしたもので、一般販売の「駒ヶ岳 津貫エイジングシリーズ」とは違いシングルカスクまたはダブルカスクでのボトリングです。

また、寶常セレクションは基本的にイヤーボトリング品で、毎年毎年ボトルのカラーリングと使用する樽種、またはフィニッシュを変えてリリースされており、今回はマルス津貫で製造されているジン、「和美人」のカスクエイジド品に使用された樽をフィニッシュに使用したものとなっています。

ちなみにイヤーボトリングと言いつつ、今回の寶常セレクションは2020年内2種類目というイレギュラーリリース。どうやら前ボトル寶常セレクション2020バーボンカスクの売れ行きが良く、年内に在庫を売り切ってしまったため急遽追加されたボトルのようです。

さてそんなボトルの中身としては、ラベル通りといいますか、バーボンバレルの駒ヶ岳とジンの双方のニュアンスをわかりやすく併せ持っているという印象。ただし、それぞれが結構ピーキーに現れているため、必ずしもバランスよく飲みやすいという味わいではありません。

バーボンバレルの部分としてはウッディやスパイシー、ファッティ。ジンの部分はボタニカル、シトラス、ラムネフレーバー等がそれぞれ顕著。複雑味というよりは、全部の要素を放り込んだような、ちょっと取り留めのない雰囲気を強く感じました。

また、注ぎたてよりも時間が経ったほうが、ストレートよりも何か割材を加えたほうが、棘のある風味が抑えられるような印象でした。私はマスターお薦めのトニックウォーター(常温)割で最後は楽しみましたが、ファッティさとシトラスが程よく立って、口当たりも多少穏やかに収まり飲みやすかったです。

まあ良くも悪くも蒸溜所ショップの限定品。機会に恵まれたなら、一度お試しください。