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☆駒ヶ岳 KOMAGATAKE Limited Edition 2020
 度数:50%
 樽種:シェリー樽、アメリカンホワイトオーク樽が中心
(状態) 開封後1週間以内/蒸溜所にて

(テイスティング)
香り:
若木のような青さを伴うウッディ、ドライフルーツのスイート、和山椒のニュアンス、リンゴのコンポート、ビターを伴うレモンピール、柑橘の爽やかな風味、青梅や未熟なプラム。スワリングすると次第に粉っぽい穀物感やナッティが現れる。仄かにスモークが漂う。

味:
ビターを伴うウッディ、控えめにシロップのスイート。中盤から徐々にタンニン、梅の種、バニラ、柔らかいエステリーなどが開く。控えめながらドライフルーツもある。フィニッシュはタンニンとビターなウッディ、リンゴを思わせる柔らかいエステリーが重層的に伸びる印象。アフターテイストで仄かに土っぽさとバルサミコ。全体的にビターでドライ寄り。

感想:
全体を通してビターな風味・味わいが支配的ではあるが、悪目立ちする要素も無く、落ち着いていて飲みやすい。シェリー樽由来の風味よりもアメリカンホワイトオーク樽のニュアンスが強い印象で、マルス信州のモルトに特徴的な風味(プラム、リンゴのエステリー、ウッディ等)もしっかりと出ており、悪くない。加水するとウッディがより薫り高く広がる。

評価:3(可も不可もなし/日飲みできるレベル)

コスパ:値段相応~やや悪い

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毎年恒例のマルス信州発の駒ヶ岳リミテッドエディション。

今年はシェリー樽とアメリカンホワイトオーク樽の原酒をメインにバッティングしているとのことですが、実際に味わってみるとシェリー樽の要素は相当控えめに感じられました。どちらかといえばアメリカンホワイトオーク(新樽)の風味が支配的。

全体的に見ると、味わいの方向性として比較的ビターに寄っており、この辺りもおそらく新樽の要素が強く出ている証拠なんじゃないかなぁ…と思っている次第です。

しかしビター主体と言っても決して悪い印象は無く、どちらかというと落ち着きのある感じで、加えてマルス信州のモルト原酒らしい要素もしっかりと持ち合わせた、駒ヶ岳のスタンダード品らしい仕上がりでした。

しかしやはり惜しむらくは価格面。まだまだ安定供給の難しい状況であることは承知のうえなのですが、もうちょっと落としていただけると有難いなぁ…なんて思ったり思わなかったり(汗

さて、本ボトルを以て駒ヶ岳リミテッドエディションは3年目となります。毎年毎年バッティングの内容、特に軸となる原酒の樽種を変えながら続いているこのシリーズは、いつの日かリリースされるであろう定番品シングルモルト駒ヶ岳のプロトタイプともいえます。

そしてあくまで主観ではありますが、リリースの度に味わいの良さがアップしているように感じています。それは使用できる原酒の酒齢が上がってきていることは勿論のこと、製造スタッフの方々のブレンド技術が向上している証拠でもあります。ということは今後どんどん製品の品質が上がっていくという期待が出来るわけでもあって、とにかく成長株であり続けてくれることは、いち飲み手にとって本当に有難いことな訳です。これからも変わらず頑張っていただきたいですね。