ウイスキー好きの"今夜も飲む!"

ウイスキーとその蒸溜所を愛し、年間10回以上蒸溜所を訪問。ウイスキーの良さと蒸溜所見学の楽しさを皆様に知っていただきたいと思います。2019年、ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル取得。

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☆Single Malt 駒ヶ岳 Yakushima Aging 
 Bottled in 2020

 度数:53%
(状態) 開封直後/残量:90%程度/自宅

(テイスティング)
香り:
すだちの皮、スポンジケーキのような甘さを伴う香ばしさ、清涼感を伴うハーブオイル、ウッディ、オレンジピール、仄かにスモーキー。

味:
序盤はバニラ・バナナ等を思わせるしっかりとした甘みと、ドライなウッディ。中盤からは青みと酸味を伴う柑橘が加わる。終盤にかけて穀物様の香ばしさ、オイリー、灰汁っぽさとスモーキーさを感じる。アルコールの刺激はやや強め。フィニッシュはビターでドライ。さっぱりとした印象。

感想:
全体的にシンプル。特に余韻はかなりあっさりしている。また、若く荒っぽい部分も相当に感じられたが、その中にも屋久島エイジングらしい青っぽい柑橘、バーボンカスク由来らしいフレーバーをしっかり感じることができる。加水にもそれなりに耐える印象。

評価: 
2(飲めないことはないレベル)~ 3(可も不可もなし)

コスパ:やや悪い

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マルスウイスキー(本坊酒造)より年に1回のペースでリリースされている、シングルモルト駒ヶ岳・屋久島エージングシリーズ。このボトルは先日発売となったシリーズ第3弾です。

屋久島エージングは、マルス信州蒸溜所で造られた原酒を、遠く屋久島の専用熟成庫(エージングセラー)まで運んで熟成させた原酒で構成されているシリーズで、第1弾がバーボンカスク、第2弾がシェリーカスクをそれぞれ主体としたバッティングでした。

今回は再びバーボンカスク原酒、それもノンピートのものが主体だそう。しかしながら、スパイス的にピートタイプ原酒もある程度加えられているようで、全体を纏める良いアクセントとして感じられました。

一方で、やはり酒齢が若いことから荒々しさはかなり残っている印象。まだまだ道半ばといった印象です。

とはいえ、屋久島エージングセラーは2016年に建設されたばかり。ここで眠る原酒がその真価を発揮するのは、まだもう少し先のことでしょう。

尚、屋久島では信州原酒の他に津貫蒸溜所の原酒も熟成中。こちらのボトリングも待たれるところです。

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☆Single Cask 駒ヶ岳 AGED 6 YEARS
 Distilled 2013.3 Bottled 2019.10
 度数:59%
 樽種:Madeira Cask
(状態) 開封直後/残量:90%程度/自宅

(テイスティング)
香り:
リンゴジャム、レーズンバター、カラメル、仄かにカカオ、梅酒、バゲッドやラスクのような香ばしさ。

味:
序盤からしっかりとしたオーク様のウッディさ、タンニンが感じられる。スイートで、ボディもそれなりにしっかりした印象。中盤にはカスタードクリーム、または卵成分の多いプリン。濃厚なベリーのソース。終盤にかけてレーズン等のドライフルーツ、プルーンのジャム、僅かに硫黄っぽさも感じる。少々灰っぽいピーティさも。フィニッシュはハイカカオチョコのようなビターと控えめなスモークが長く続く。後味でやや強いエグみが残る。

感想:
樽由来の比較的しっかりとしたウッディと、フォーティファイドワイン樽らしいベリーとドライフルーツ感、およびカスタードクリームを思わせるクリーム感に控えめなピートが程良いスパイスとなって、重層感のある、なかなか楽しめる味わいに纏まっている。若干のエグみが気になるところだが、問題になる程ではない。加水すると、ややドライな方向にシフトする。


評価: 4(ゆっくり楽しめる)~
5(非常に美味しい)

コスパ:値段相応
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この春先に発売された駒ヶ岳のシングルカスクエディションの1本。もう1本は91年ヴィンテージの28年物でした。

この新旧合わせたシングルカスクリリースは昨年同時期にも行われています。折しもそれは日本におけるウイスキー・スピリッツを対象とした初のコンペティション、TWSCの開催に合わせた形となりました。結果は、見事に2本とも最高金賞を獲得。

そして今年もやはりTWSCを見据えたリリース。が、残念ながら開催は5月に先送りに。ジャッジは先のお楽しみ。

さて肝心な味わいの方はというと、やはりコンペの出品を前提としたであろうセレクトなだけあって、多少のエグみを伴いながらも重層感のある、非常に楽しめる味わいとなっていました。尚、マデイラカスク単体でのリリースは(おそらく)今回が初。

正直、信州蒸溜所のメインとされるバーボンカスク、ないし最近リリースの多い新樽熟成の原酒に比べると、シェリーカスクはじめ、ワイン系カスクの原酒に関しては少々期待値が…というのが従来の感想でした。が、このボトルはそんな心配を見事に払拭してくれる出来でした。

正直、これはなかなか良いな、と。


個人的に信州の原酒は概ね6年以上の熟成でポテンシャルを発揮してくる印象。特に近年リリースのボトルでは「マルスモルト ル・パピヨン ギフチョウ」にて、それを実感しました。

本ボトルのヴィンテージは2013年。この年はマルス信州蒸溜所が2011年に復活して以降、原酒製造の方向性が定まり、いよいよ本格的・安定的にウイスキー製造に着手しはじめた時期と聞きます。尚、2013年以降は製造量的にも増産の方向にシフトおり、貯蔵されている原酒の量的にも余裕の出始めるヴィンテージかと思われます。
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さて、自分の考察が正しければ、今後、再稼働後の原酒で熟成期間6年以上の、品質的にも比較的安定した、美味しいウイスキーが登場する機会が増えると勝手に予想。今後に期待が膨らむところです。

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日本一小さな蒸溜所である長濱蒸溜所。ここではそのサイズ感ならではとも言えるイベントを開催している。それが「長濱蒸溜所 蒸溜体験ツアー」である。
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これは所謂ウイスキーファン向けのウイスキー製造体験会であり、1泊2日の日程でウイスキーの製造プロセスを実地体験できるプログラムとなっている。

ここまで聞くと、ニッカが余市・宮城峡各蒸溜所で開催している「マイウイスキーづくり」と差して変わらないように思えるが、実際は、こちらの「蒸溜体験ツアー」のほうがディープでマニアックだ。

どの辺がディープかというと、具体的には本当に製造作業を自分の手で行うというところだ。
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「え、ニッカも実際の作業を体験できるじゃん!」という意見が飛んできそうなところである。確かにニッカの開催するマイウイスキーづくりも製造作業の体験はある。しかしそれはあくまで製造工程の一部を切り取って、イベント用に行う「体験」であって、実際の業務と細部が異なっている。

一方、長濱の蒸溜体験は本当にウイスキー製造を体験できる。マッシュタンからドラフを掻き出して袋に詰め、スチル・冷却器を掃除してモロミを張り…と、もう殆ど労働と同じ状況だ。

2日にわたって汗をかきつつ、筋肉痛になりつつ作業を体験する。人によってはバイト代を請求したいと思うかもしれない。
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しかし、本当に製造現場の空気を知るためにはこれ以上の体験プログラムは無いだろう。なにせモルトの粉砕、ウォッシュバックへの酵母の投入、スチルへの火入れ、ローワインのアルコール度数測定、ニューポットのバレルエントリーに至るまで、本当に殆ど全ての工程を体験できるのだから。
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これは流石にニッカでも真似できない。この日本一小さな規模だからこそ、できることなのだ。

惜しむらくは、実際のウェアハウスを見ることができないという所だろうか。しかし、それすら霞むぐらいに、この蒸溜体験は楽しい。
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参加人数も最大6人に抑えられているため、暇を持て余すこともほぼない。また、質問も聞き放題だ。

また、ここはレストラン併設であるため、1日目の昼・夜、2日目の昼と、食事が提供される。特に1日目の夕食は懇親会を兼ねた宴会となっており、参加者同士またはスタッフの方々とビールやウイスキーを片手に談笑しながら豪華なメニューを楽しめる。
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スタッフの方々からは、ちょっとした裏話や立ち上げ当初の苦労話、こぼれ話も聞けたり…。

他にもお楽しみポイントはいっぱいあるのだが…、この先は実際に参加し、ご自身で体験していただきたいと思う。

応募は公式サイト「https://www.romanbeer.com/nagahama-distillery/tour/」より可能。参加費は宿泊費および2食+宴会、ニューポット(ハンドフィル!)やグラス等のプレゼントを含めて44000円(税込)となっている。
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値段としては決してリーズナブルではないが、得られるものは相当に大きい。そして楽しい。

ウイスキーファンを自称するならば、是非1度はご参加いただきたいと思う。

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☆BALBLAIR aged 10 years
 GORDON&MACPHAIL
 度数:43%

(状態) 開封後2年程度/残量:40%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
スイートなモルトの香り、青リンゴを思わせるフレッシュフルーツ、少しくぐもったエステル、干し草。

味:
控えめなスイートとフレッシュな酸味、はっきりとしたビターを伴うウッディ、バタートーストを思わせるオイリー、バニラクリーム、僅かに青リンゴフレーバー、全体的にシンプルにまとまっているイメージ。フィニッシュにかけて籾殻(もみがら)のような乾いた香ばしさが感じられ、比較的ドライに終わる印象。余韻もかなりさっぱり気味。少し若々しい刺激もある。ボディは意外としっかり太いイメージ。

感想:
全体的にシンプル&ドライ。樽由来のニュアンスはあまり強くなく、どちらかというとニューポット由来と思われる粉っぽいモルティと乳製品っぽいオイリーが主体。フィニッシュも短くドライでシンプル。10年物らしく若い荒っぽさも感じられる。加水すると、よりビターでモルトの香ばしさが際立つ印象。逆にスイートさは遠のく。

評価:3(可も不可もなし/日飲みできるレベル)

コスパ:値段相応~やや悪い

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ボトラーズのゴードン&マクファイル社からリリースされている、所謂蒸溜所ラベルシリーズの一本。

バルブレア蒸溜所が標榜するビターでモルティ、かつドライな味わいをしっかりと体現した味わいで、短熟らしく樽感よりも酒質由来の風味がメインなイメージです。

樽に関しては特に記載がありませんが、色・味わいからバーボン樽メインまたはバーボン樽オンリーと考えて間違いないかと思います。10年表記ながら非常に樽感がライトなことから、セカンドフィルとも推測できます。

どちらにせよ、樽由来の要素が少なく、バルブレアの原酒本来の味わいを存分に堪能できる一本。色々試す前にキャラを把握するには丁度良いかと思います。願わくば値段がもうちょい手頃なら助かるのですが…。

〇 とても良いフレッシュフルーツ感!今後の変化も楽しみなコスパの良いバーギ―
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☆Black Friday 2019 EDITION
 SINGLE MALT SCOTCH WHISKY
 FROM A SPEYSIDE DISTILLERY
 AGED 21 YEARS
 THE WHISKY EXCHANGE
 度数:53.1°
 樽種:リフィルバーボンホッグスヘッド

(状態) 開封後2ヶ月/残量:70%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
若梅を漬け込んだ梅酒、シードル、マスカットジュース、グァバ、パパイヤ、パンケーキを思わせる甘い穀物の香り、青みを伴うウッディ、オレンジソース、シナモンやナツメグのようなオリエンタルスパイス。全体的にスイートでフレッシュな印象。

味:
序盤はピーチシロップやオレンジオイル、生木のような若さを感じるウッディさ。中盤からタンニンの渋み、クリームを思わせる少しファッティなコク、柑橘類を思わせる酸味、少し青っぽさも感じる。終盤では僅かにピリっとした刺激とスパイスのニュアンスを感じる。全体的にあっさり、もしくはドライな印象。
フィニッシュは中程度で比較的ドライな印象。余韻は程良くビターで、遠くに南国フルーツの微かな香りも感じられる。加水では良い感じに伸び、プラム、グァバなどフルーツ感が増す。

感想:
香りにはフレッシュなフルーツやパンケーキ、ハチミツといったスイートなイメージが大いに感じられるが、味わいはどちらかといえばビターでドライ。加水していくと伸び、香りはフルーティに、味わいはスイートにシフトしていく。開栓間もないため、少々固いように感じる。

評価: 4(美味しく感じる)

コスパ:良い~値段相応

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英国のウイスキー販売店大手、ウイスキー・エクスチェンジ(The Whisky Exchange / TWE)がブラックフライデー(欧米圏で11月の第4木曜日の翌日)に合わせてリリースしているオリジナル・リミテッドリリースの第3弾。

無題
(TWE公式、ブラックフライデー:
https://www.thewhiskyexchange.com/feature/blackfriday

2017年より毎年リリースされているこのシリーズ。基本的に蒸溜所名非公開のボトルですが、商品説明欄のヒントを頼りに、簡単に特定することができるようになっています。ちなみに第1弾がグレンファークラス、第2弾がハイランドパークと考えられます。

今回は創業年(1810年)と蒸溜所の立地(フォレスとエルギンの間)がヒント、というか答え。1810年創業のスペイサイドの蒸溜所ってことでバーギ―一択なわけです。

年に一回の大規模なセールイベントであり、且つ全世界にユーザーの存在するTWEだけあって、毎年発売から1時間待たずして完売となるこのシリーズ。今年もおよそ30分程度で完売となっていました(尚、第1弾は15分も持たなかったそう…)。

個人的には初のウイスキー個人輸入だったため少々の躊躇がありましたが、バーギ―の21年、それもリフィルバーボンホグズヘッド熟成という、あまりにもドストライクなボトルだったことが背中を押し、無事手元にやってきたわけです。

中身については、まず開栓一発目にも拘わらず、はっきりと感じ取れるフレッシュフルーツ感。一拍置いてバーボン樽らしいトロピカルフルーツやスパイス、青みを伴うウッディやオレンジ、クリーミーなニュアンス等々、たくさんの香りが押し寄せてくる楽しい印象。

味わいは、若干ビター&ドライ寄りではありましたが、ちゃんとスイートなニュアンスもあり、強すぎないウッディと乾いたモルティさが下支えになり、悪くない感じでした。

欲を言えば味わいにもう少ししっかりフルーツのスイート感があればなぁ…といったところですが、そちらはまた、今後の開き方に期待ですね。

リリース本数確保のため、複数樽(今回の限定ボトル本数は1800本なので、ざっと計算9~10樽程度)のバッティングということでシングルカスクではありませんが、このスペックかつ味で手数料込み約128ドル(当時のレートで約14000円)とお値段もなかなか良心的。

ファンにとって嬉しい一本でした。

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