ウイスキー好きの"今夜も飲む!"

ウイスキーとその蒸溜所を愛し、年間10回以上蒸溜所を訪問。ウイスキーの良さと蒸溜所見学の楽しさを皆様に知っていただきたいと思います。2019年、ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル取得。

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☆BALBLAIR 1979 (オフィシャル)
 Bottled in 2007
 度数:46%
(状態) 開封後8ヶ月/残量:60%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
ソフトだが主張のあるエステリー、リンゴジャム、バナナ。スイートなナッティ、マジパン、クリーム。僅かに柔軟剤っぽいフローラルもある。次第にオレンジピール、ビネガー。全体的に柔らかくてスイート。

味:
最初こそソフトだが、徐々にパワフルに。序盤はオレンジオイルとキャラメルクリーム。中盤からはビター、ウッディ、ペッパーが加わる。さらにソフトで穏やかなエステリー、オイリーを伴うナッツまたはクリームも出現。終盤からは次第にドライに切れ上がり、フィニッシュではソフトなウッディと、仄かなフローラルとエステリーが感じられ、乾いたビターとスパイスの余韻が残る。

感想:
香りは非常にソフトでエステリー&ナッティで柔らかい印象だが、いざ飲んでみると思いの外ビターでスパイシー。結構パンチが効いている。フィニッシュはそれほど長くなく、意外にもあっさりで、メリハリが効いた口当たり。飲み進めるとパンチの中にスイートやエステリー、クリーミーなニュアンスが重層的に現れ、後を引く。加水するとよりシャープな口当たりに変化。ウッドとオイリーなニュアンスが強調される。

評価:4~5(ゆっくり楽しめるレベル/非常に美味しい)

コスパ:値段相応

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バルブレアがオフィシャルボトルをヴィンテージシリーズに置き換えた際のファーストリリースのうちの1本。同時リリースには1989、1997ヴィンテージがあったようです。

味わいとしては、これより前の頃のボトルに間々みられたピーティさが一切ない近年仕様。ボディの太さ、モルトとスパイシーがはっきりと感じられる、安定感・満足感ともに抜群の1本です。さらに加水品ながら、これから開いてくる要素も期待できるところ。まだまだゆっくり楽しめそうです。

しかし、、やはりバルブレアはこうでなくちゃ、、とは無い物ねだりなんですかね(汗
懐古厨になってはいけないと思いつつも、、ね。

最近リニューアルされた年数表記ボトルではボディが結構細く、味わいもモルト感よりも若いイメージが先行する印象。それに比べこのボトルは…それこそ良い時代の遺物であり、今後ますます出会う機会の減る味わいと思うと、なんとも残念至極ですね。

しかしながら、前回のレビューでアップしたハイランドウィスキーフェス向けの1997シングルカスクのように「これぞバルブレア!」といった方向性の原酒もちゃんと残されている様子。

またこういうボトル出ないかなぁ…

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☆BALBLAIR 1997 (OB)
 HIGHLAND WHISKY FESTIVAL EXCLUSIVE
 FILLED ON “1st may 2019”
 度数:56.7%
(状態) 開封直後/残量:90%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
ツンとするエステリー、バナナ、メロン。香ばしい穀物感、ややビターなウッディ、ナッツ入りのミルクチョコ、ミントとミルクのキャンディ、若々しい雰囲気とフルーツのスイート感が混在。

味:
最初に押し出しの強いウッディとエステリー。僅かに石鹸のようなニュアンス。中盤からオイリーでクリーミー。オレンジソース、アーモンドクリーム、ホワイトペッパー。少々青みも感じられる。フィニッシュは意外と穏やかで、焙煎したような香ばしいモルト、クリームのフレーバーが残る。全体的にリッチでスパイシー、かつドライ。飲み進めると洋梨や白ブドウのようなニュアンスも現れる。

感想:
香りではエステリーが前面に出る印象だが、味わいとしては結構ファッティでスパイシー。骨太な印象だが相当ドライで、まだまだ開いていないと思われる印象。ドライだが決してライトではない。骨太で、近年のバルブレアの中でもなかなか飲みごたえのある1本。

評価:4(美味しく感じる/ゆっくり楽しめるレベル)

コスパ:値段相応

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バルブレアが、スコットランド本土・ハイランドエリアで開催される「ハイランド・ウィスキー・フェスティバル」向けに限定発売したボトル。

カスクタイプは未記載ですが、味わいから予想するにバーボンカスクでしょう。香りはややエステリーの押し出しが強め。遅れてナッツやクリーム系のソフトな甘い香りが前面に感じられました。一方で味わいはファッティ&ドライ。フルーツの要素も見え隠れしますが、まだまだ開栓直後ということもあってか、固い印象でした。何気にうっすらとフローラルなニュアンスも見え隠れ。放置でどれだけ開いてくるか、期待です。

バルブレアは比較的マイナーな部類のシングルモルトながら、しっかりとしたボディと分厚いモルト感が好印象なウイスキーです。アライド社所有時代にはバランタインの主要な原酒供給元として知られており、シングルモルトでの発売は極めて限定的でした。

シングルモルトとしてのリリースが活発化したのは現在のインバーハウス傘下になってから。当初はノンエイジと16年等数種の年数表記物で発売されていたようですが、2007年からはシングルヴィンテージ品のみを定番商品としてリリースするという異例のラインナップを見せました。しかし、世界的なウイスキーブームの中で原酒量が厳しくなってきたようで、2018年にはシングルヴィンテージでのリリースを終了。12年~25年の年数表記物に置き換えられてしまいました。

このボトルはシングルヴィンテージシリーズの終売後に登場したもの。

過去のシングルヴィンテージシリーズは物により差はあるものの、加水品ながら概ね厚みのある味わいと線の太さが個人的に好みで、かなり愛飲したシリーズでした。が、新ラインナップへの切り替わりで味わいが若くてライトな方向にシフト。加えて全体的な価格の上方修正によりコストパフォーマンスが合わなくなったために敬遠。以降しばらく疎遠になっていた次第です。

そんな中で故あって手元に来たこのボトルは、かつてのシングルヴィンテージの品々を彷彿とさせてくれるような厚みとナッティな甘い香りが好印象な一本でした。

やっぱちゃんといい原酒も持ってるんですねぇ。そして出るところには出ると。

バルブレアは最近ボトラーズでのリリースがとんとご無沙汰で、ちょっと寂しかったところ。こういうリリースは本当に有難く、そして次のリリースが待ち遠しいです。

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☆MARS MALTAGE “COSMO” 越百
 WINE CASK FINISH BOTTLED IN 2020
 度数:43%

(状態) 開封直後/残量:90%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
イチゴジャム、ラズベリーのフレーバー、煮詰めた赤ワイン、僅かにピーティ、全体的にスイートでスムースな印象。使い込んだ皮製品のような風味もある。

味:
酸味を伴うタンニン、ベリージャムの甘さ、終盤にかけてゆで小豆ような風味も。若干の硫黄っぽさ。仄かにピーティ。口当たりは比較的スムースで、全体的にライトな印象。フィニッシュはタンニンとベリーの風味で、ドライ気味。

感想:
全体的にワインカスクのフレーバーがカバーしており、元の越百らしい部分(特に酸味のある穀物感)は隠れてしまっている印象。良くも悪くもマルスのワインカスク味。加水することでモルティと柔らかいピーティが顔を出す。中庸なイメージだが、ベリーとピーティのバランスの良さが好印象。ハイボールではベリーが失われ、硫黄とエグみが強く出てしまう。もう一声安ければ…。

評価:3~
4 (可も不可もなし/美味しく感じる)

コスパ:やや悪い

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つい先日リリースされたマルスのブレンデッドモルト、越百のカスクフィニッシュシリーズの1本。昨年のマンサニージャカスクに続き、今年は自社のワインカスクがフィニッシュに使用されています。

マルスウイスキー(本坊酒造)といえば、駒ヶ岳や岩井トラディションなどのバリエーションとして、ワインカスクフィニッシュの製品を数多くリリースしていることで有名。

使用されているワインカスクは、本坊酒造が山梨に持つワイナリーから取り寄せたもの。ワイナリーから蒸溜所のある南信州までは車でおよそ2時間程度と近く、ワインの樽出しからウイスキーのフィリングまでに余計な時間が掛かりません。つまりワイン樽の劣化を最小限に抑え、比較的フレッシュな状態で使用できるわけです。

この比較的フレッシュなワインカスクを使用しているためかどうか定かではありませんが、マルス信州のリリースする各ワインカスクフィニッシュ品はフレッシュでスイートなベリーの香味がより強く、味わいもラズベリージャムのような甘酸っぱい印象にマスクされていることが個人的に多い印象です。

本ボトルも漏れなくそっち系の香りがしっかりと上乗せされたイメージの出来。加えて越百が本来持ち合わせているソフトなピート香がスパイス的に効いて、意外と悪くないバランスでした。

ただし、多めの加水でエグみや硫黄臭といったネガティブな要素が表出してしまい、残念ながらハイボールではその良さを発揮しきれない印象。ストレートか、いっそカクテルベースにするのが良さそうです。

昨年のマンサニージャがハイボールと好相性だったが故に、ちょっと残念な結果でした。が、ストレートや少量の加水ならば十分に楽しめる出来かと思います。ただし、お値段と入手のハードルはちょっと高め。

尚、この越百のカスクフィニッシュシリーズは現在のところ、年替わりで1種類ずつリリースされる予定とのこと。ロット数の問題なのか、それとも試験的なリリースという位置づけなのか、そのポジションは判然としないものの、意外と粒ぞろいなボトルが続いている本シリーズ。さて次回はどんなボトルが登場するのでしょうか、楽しみではあります。

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☆GLENALLACHIE SINGLE CASK 2006
 CHICHIBU WHISK(E)Y MATSURI
 AGE 12 YEARS
 度数:59.4%
 樽種:BOURBON BARREL #111859
(状態) 開封直後/残量:80%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
酸味の効いたリンゴジャム、乾いたオークの木材、アプリコット、ホワイトペッパー、クローブ。ハーブティーやジンジャー、バタークッキーのようなスイートもある。

味:
しっかりとフルーティな酸味や甘み。中盤からハーブ様の青っぽさを伴ってウッディ、しっかりと太いモルティ。終盤にかけてバターのようなファッティやビターなタンニン。フィニッシュにかけて強めの刺激とビター、青っぽさが残る。後味はドライ。

感想:
比較的わかりやすいバーボンカスク味と、酒質の強さ由来の線の太いモルト感がメイン。刺激は度数なりに強いが、飲みごたえと味わいの強さが感じられ好印象。やや値ごろ感には欠けるが、12年熟成としては優秀か。加水にも十分耐える。

評価: 4(美味しく感じる/ゆっくり楽しめるレベル)


コスパ:値段相応~やや悪い

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今年の秩父ウイスキー祭2020で限定販売されたグレンアラヒーのシングルカスクです。

個人的には購入時点であまり期待しておらず、別のボトルと抱き合わせで注文した程度の心づもりでした。加えて他の商品が軒並み応募多数の抽選販売になる中で通常販売される始末。個人的前評判はよくありませんでした。

そんな評価が覆ったのがつい先日。こんなご時世故外飲みできず、ひたすら家飲みを堪能している中で不意に思い出し開栓したのがきっかけでした。

一口飲んでびっくり。これはなかなかの代物だな、と。とんでもなく突き抜けた味わい、とまでは言いませんが、12年のカスク物としては十分な味わいでした。

味わいとしては、特に最近のバーボンカスク系によく感じられる香り(個人的にハーブやスパイス、フルーツの酸味と思っています)と線の太いモルティが全面に現れており、なかなかの好印象。

加水にも耐えうるボディを持っており、今後の瓶熟の具合によってはさらに開く可能性も感じられ、今後の期待値も十分。

いや、やはりボトルの評価はちゃんと飲んでからにすべきだな…と反省した次第です。


【グレンアラヒー蒸溜所】
1967年にマッキンレー・マクファーソンによって創業された蒸溜所で、スペイサイドでは比較的新しい蒸溜所。1985年にインヴァーゴードン、1989年にはペルノリカールと親会社を変えつつ、ブレンデッド用原酒供給源として操業を続けた。

その後、かのビリー・ウォーカーによって酒質の良さを見出され、買収。現在は独立系のメーカー(グレンアラヒー・コンソーシアム)の蒸溜所として稼働している。

ペルノリカール以前は、シングルモルトとして殆どリリースされていなかったが、現体制に移行してからは数多くのシングルモルトをボトリング、リリースしている。
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☆津貫ニューメイク 931DAYS
 Yakushima Aging Peat:3.5ppm
 Distilled:2017.02 Bottled:2019.10
 度数:60%
 樽種:Burbon Barrel
(状態) 開封後5ヶ月/残量:70%程度/自宅

(テイスティング)
香り:
やや酸味の際立つニューポッティな香り、やや強めのアルコール感、ミカンジュース、カボスや柚子を思わせる青々とした柑橘、ややしっかりとした木材、クリーミーな穀物のニュアンス、僅かにスパイシー。

味:
かなり棘のあるアタックとドライなモルトの風味、柑橘のピールを思わせるビターな果実味、しっかりと主張のあるウッディ、僅かにファッティな部分もある。フィニッシュは短く、強めのウッディと独特な酸味、穀物の香りが残る。

感想:
口当たりは相当に若々しく、刺激的。一方で青々とした柑橘のニュアンスが非常に顕著に現れており、決して飲みやすくはないものの面白さはある。加水しても荒々しさは残るが、よりカボスや柚子のような青い柑橘系の風味が強調される。

評価:なし(ニューメイクのため)

コスパ:なし(イベント用のため)

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2017年以降、毎年11月に開催されている本坊酒造株式会社主催のマルス津貫蒸溜所祭り。

津貫蒸溜所の周年祝いとして催されるこのイベントは、同時にファン感謝祭といった趣向も併せ持ち、毎年多くの参加者で賑わいます。

そんな津貫蒸溜所祭り限定で販売されるのが、500mlのボトルに詰められた津貫ニューメイクシリーズです。このボトルは、未だシングルモルトの発売されていない津貫の原酒の味わいを、いち早くマルスウイスキーファンに味わって欲しいという本坊酒造の方々の好意であると同時に、津貫原酒の方向性を一般のウイスキーファンが体感できる数少ない機会のひとつでもあります。

2018年までは津貫製造のニューポットを津貫蒸溜所の熟成庫で熟成した純津貫製のニューメイク(未だ3年の熟成期間を経ていないもの)をボトリングしていましたが、2019年は過去2回とは趣向を変え、津貫製造のニューポットを信州および屋久島の熟成庫にて熟成した、所謂「信州エージング」と「屋久島エージング」のリリースとなりました。

本ボトルはその1本、「屋久島エージング」です。

屋久島エージングはフェノール値:3.5ppmのライトリーピーテッド麦芽で仕込まれた原酒。熟成期間は3年に僅かに届かぬ931日です。

やはり熟成途中のニューメイクということだけあって、ニューポットのニュアンスが全面に現れたテイストで、アルコール度数もバレルエントリーから殆ど変わらない(マルスは基本的に60%で樽詰め)60%である為に非常に刺激の強い口当たりです。

その一方でウイスキーとしての味わいも、しっかりと付き始めている印象。とりわけ駒ヶ岳(信州蒸溜所原酒)の屋久島エージングのものに共通して現れている「青っぽい柑橘」の要素が同様に現れていました。

また、温暖な気候が影響してか樽のウッディさが非常に強く出ており、スパイシーさと相まって結構刺激的。津貫原酒の目指す「深みとエネルギッシュさ」といったニュアンスはこのウッディさとニューポットのアルコール感に紛れ、判然としない印象でした。

ともあれ、そのあたりは熟成を重ねていくことで改善が期待できる部分。今後、熟成年数に従って順にこなれてくるのではないかと思います。これからのリリースに期待ですね。

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