ウイスキー好きの"今夜も飲む!"

ウイスキーとその蒸溜所を愛し、年間10回以上蒸溜所を訪問。ウイスキーの良さと蒸溜所見学の楽しさを皆様に知っていただきたいと思います。2019年、ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル取得。

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☆Secret Speyside Distillery No.2
 1998 Aged 20 years
 Hemp Sparrow 五筒
 度数:49.8%
 樽種:Bourbon Barrel
(状態) 開封直後/残量:90%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
花の蜜、クリーンなエステリー、溶剤、塗装したての木材、少々粉っぽいモルティ、アップルシロップ、キウイフルーツ、スワリングするとココナッツオイルを主体としたナッティが現れる。

味:
リンゴのコンポート、少々のビターを伴うウッディ、少々の生木っぽさ、香ばしい穀物も。全体を通してややケミカルな(セメダインや青りんごのガムのような)エステリーが漂う。わずかながらナッティやバタークッキーも感じられる。フィニッシュはビターとモルティが交じり合いつつ、じんわりと染みる印象。ややドライ気味でもある。後味にはスミレを思わせるフローラルが残る。度数なりのアルコール刺激。

感想:
ややケミカル方面のエステリーが主体な印象。またウッド感も意外と強い。全体的には比較的シンプルで素直なイメージ。程よく果物、程よく華やか、程よくビター。加水するとエステリーが多少抑えられ、ピーチやオレンジの風味が顔を出す。

評価:3(可も不可もなし/日飲みできるレベル)

コスパ:値段相応~やや悪い

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ウィスク・イーから不定期にリリースされているボトラーズシリーズ、ヘンプスパロー。

ヘンプ(麻)スパロー(雀)ということで、麻雀牌をモチーフにしたラベルが印象的な、そのコレクション性から非常に人気の高いシリーズであります。今回のラベルは五筒(ウーピン)。

蒸溜所は「シークレットスぺイサイドNo.2」表記ですが、「創業1824年」、「スコットランド初の政府登録蒸溜所」などのヒントからグレンリベットであることがわかります。(同シリーズにおけるシークレットスぺイサイドはNo.1(No.表記なし)がグレンロセス、No.3がマッカラン)

本シリーズでは短熟~中熟程度のシングルモルトまたはブレンデッドモルトがリリースの主体(アメリカンやラムも出ましたが…)で、比較的安心して飲める、中庸な味わいのものが多い印象。また中庸ながら、それぞれの蒸溜所「らしさ」もちゃんと感じられる原酒のチョイスになっているように思います。

今回のシークレットスぺイサイドNo.2も、バーボンカスクのグレンリベット「らしさ」が生き、棘が無く、飲みやすい味わい。やはり安心感は大事ですね。

尚、麻雀牌の数牌は一から九。筒子(ピンズ)は既に八まで発売されました。他の牌も既に後半戦。さて、どのように締めくくられるのか、楽しみですね。

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☆GLENALLACHIE  AGED 15 YEARS
 度数:46%
 樽種:PXシェリー、オロロソシェリー
(状態) 開封時期不明/残量:60%程度/バー飲み

(テイスティング)
香り:
レーズン、焼きたてのバゲットの香ばしさ、ココアパウダー、バルサミコ、カシス、プルーン、ビターと湿り気を伴うウッディ。

味:
シェリーカスクらしいドライフルーツとベリーのスイート、少々のホコリっぽさとビターを伴うウッディ、湿った木材も。中盤からバルサミコまたはベリーの酸味、クローブ、オールスパイス、香ばしさのある穀物。フィニッシュはタンニン、ベリー、意外とあっさり。余韻でグレープジュースの後味、カスタード。

感想:
シェリーカスクらしいドライフルーツのスイートが全面に出ているが、意外とあとに残らずあっさりと飲める。ビター感もはっきりしているがだが、しつこくなく、あっさりしていて心地よい。加水にも結構耐え、ビターが押さえられタンニンとベリーが伸びる。原酒由来のモルティがやや抑えられ、カスクが若干前のめり気味。だがシェリーシェリーせず飲みやすい。


評価:3(日飲みできるレベル~美味しく感じる/ゆっくり楽しめるレベル)

コスパ:良い

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2017年にペルノリカールから買収され、独立系となったグレンアラヒー。以後、続々とシングルモルトをリリースし、早くも市場に定着したイメージがあります。

そんなグレンアラヒーのミドルレンジ、15年は今年の1月にリリースされたボトル。樽使いはシェリー&シェリーと一見コテコテな仕様なのですが、飲んでみると思いの外軽くてクリアー。ありがちなベタベタ重い甘さが控えめで、非常に飲みやすい仕上がりでした。

ただ、アラヒーらしいモルティさが少し隠れてしまった印象。やはり甘口シェリーカスクにはあの太いモルティでも敵わなかったようです。

しかしそれはそれ、十分楽しめる良い味わいでした。そしてこのクオリティでボトル1万を割り込むのは嬉しい。やっぱりコスパも大事ですねぇ…。

ABER21
☆Aberfeldy AGED 21 YEARS
 THE HEART OF Dewar's
 度数:40%

(状態) 開封時期不明/残量:50%程度/バー飲み

(テイスティング)
香り:
ピーチシロップ、ケミカル寄りのマンゴーフレーバー、アプリコットジャム、ハチミツ、アップルジャム。全面的にフルーツ&スイート。フルーツに隠れるようにクリーミーな穀物、柔らかいウッディとビター、僅かに土っぽいニュアンス。時間経過でココナッツとビネガーに近い酸味も出現。

味:
前面にシロップの甘さ、アプリコットジャム、オレンジママレード、マンゴーソース。湿ったウッディとカカオのようなビター、仄かに土っぽいピーティも伴う。透明感のある甘さと柔らかい口当たりである一方、ねっとりとした甘みが舌に絡む印象。フィニッシュは長く穏やかにスイートと僅かなビター、上品なモルトの香ばしさが広がる。アフターテイストに至るまでしっかりフルーツ。

感想:
非常にライトでスムーズな口当たりながら、ねっとりと甘くフルーティな味わいが印象的。とにかく甘い。加水でも芯は折れず、スイートが維持される。また、時間経過でもフルーツ感は少しずつ変化し、ゆっくりじっくり楽しめる印象。ビターや土っぽいピーティも引き立て役として好相性。オフィシャルスタンダードのアッパーグレードとしては上出来すぎる出来。

評価: 4~5(ゆっくり楽しめる~非常に美味しい)

コスパ:良い

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とにかく甘い。そして飲みやすかった1本。

さすがはアバフェルディ。もともとオフィシャルアバフェルディは、そもそもの味わいもコスパも良好と聞いていましたが、これはかなり良い感じで楽しめました。

特に際立っていたのはピーチやマンゴーのフルーツ。そしてハチミツやシロップのような濃縮された甘さ。加えて加水の絶妙さもあって口当たりは相当スムーズで柔らかい物でした。素直に「美味くて飲みやすい」と言える味。

まあ開栓から暫く時間が経ったものであり、度数落ち+開き具合が絶妙だったことも手伝っているとは思うんですけどね。それを込みで考えても、とても良いものなんじゃないでしょうか。惜しむらくは、これが所謂「旧ボトル」であり、現行の21年は少々ドライ寄りになってしまっているということ。ただ、根幹を成す部分の味わいに大差無いとのことなので、あとは好き嫌いの差で、基本的に美味しいことには変わりなさそう。

尚、今回飲んだ21年は2014年にラベルデザインが変わる以前の物。所謂先代旧ボトルでした。アバフェルディといえば赤リス。ちゃんとこのボトルにも描かれていました。現行品はデザインがおしゃれになった代わりに赤リスはお役御免、描かれなくなってしまいました。スコッチウイスキーのボトルの動物って、個人的に案外キャラ付けに有効な気がしており、無くなってしまうのはちょっと寂しいんですよね…。次回のリニューアル時には是非復活を希望。

さて、なかなかハイクオリティ・ハイコスパなアバフェルディですが、知名度は残念ながら少々低め。もともとデュワーズのキーモルトとして原酒の殆どが供給されており、シングルモルトのスタンダードラインナップは12年、16年、21年の3つ。さらに日本国内に至っては12年のみが定番で、21年はごく少量、正規ないし平行品として販売されている印象です。

ボトラーズのリリースもある程度あるように見受けられますが、決して多くはありません。故に通年リリースの12年であっても置いていないBARも少なからずあり、それ以外のオフィシャルラインナップとなるとかなりのレアキャラだったりします。勿論、今回のような旧ボトルも然り。

今後はボトラーズにも目を光らせて、遭遇次第試していこうと思います。ともあれ、オフィシャルアバフェルディは良い!

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☆BALBLAIR 12(AGED TWELVE YEARS)
 度数:46%
 樽種:EX-BOURBONCASK &
    DOUBLE-FIRED AMERICAN OAK CASK

(状態) 開封後2週間/残量:80%程度/自宅保管

(テイスティング)
香り:
ハチミツ、オレンジピール、オレンジシロップ、焼き立てのパン、焙煎した穀物、リンゴのような酸味のあるエステリー、ボタニカルなビター、少々ケミカルなニュアンスもある。比較的シンプルな印象。

味:
シトラスフルーツの酸味、やや強いビターを伴うウッディ、中盤から穀物の香ばしさ、シロップの甘さ、若さを感じるモルティ、ホワイトペッパーやオールスパイス、若干のジンジャー。全体的にライトでフラット気味。フィニッシュはライトでさっぱり。余韻でハチミツようなスイートと粘性のあるビターが残る。

感想:
ライトでフラット。ビターがかなり主張しており、他の要素が若干押され気味。オレンジ、スパイス、ジンジャー、ハチミツなど良い要素も多く持ち合わせているが、弱い。熟成感よりも若さや荒っぽさが少々目立つ印象。加水でよりビターが際立ってしまい、他の要素が消えてしまう。アルコール感はやや強い。

評価:3(可も不可もなし)

コスパ:値段相応~やや悪い

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2019年にリニューアルされ、ヴィンテージシリーズからシンプルな年数表記物に切り替わったバルブレア。今回は昔(90年代終盤)のようなNASはラインナップになく、12年が実質的なエントリーグレードとなります。

ただ、エントリーグレードと言いつつ、値段はそこそこ張る印象。生産量の問題や昨今のウイスキーブームに伴う原酒不足等々が背景にあることは重々承知ですが、やはりちょっとお高い印象です。

味わいのほうは、エントリーグレードなだけあってバルブレアに期待する要素がちゃんと含まれている…のですが弱い。

全体的に樽由来らしきビターなウッディの押しが強すぎて、他の良い要素が潰れてしまっている印象です。加えて46%というオフィシャルエントリーラインとしてはハイプルーフな設定も手伝ってか、アルコール刺激と原酒の若さを強く感じてしまう印象。

加水すればなんとかなるのかと思いきや、ビターのみが浮いてしまい僅かに残ったフルーティやらスイートやらが見事に消滅。原酒が若い故か、味の淡泊さが大いに目立ってしまう印象でした。

使用している樽はおなじみバーボンカスクと、ダブルファイアード・アメリカンオークカスクという聞きなれない樽。直訳すれば「2回焼いた」ということになりますが…正体不明です。単純に2回チャーリングした樽とも、トースティング後にチャーリングしたとも、場合によっては使用後にリチャーリングした再活性樽という意味ともとれます。まあどちらにせよ謎は深まるところですが…。

尚、この樽は12年物にのみ使用され、15年以上の上位グレードでは使用されておらず、代わりにスパニッシュオークやオロロソシェリーカスクが使用されています。

現行シリーズ全体の良し悪しについては、まだ上位グレードのテイスティングの機会を得ていないのでなんとも言えませんが、12年を試した段階でやはりというかなんというか、年々淡泊でライトになってしまっているという流れには完全に乗ってしまっている印象でした。

ただ、バルブレアはプライベートボトリングでここ一番を炸裂させてくることが多く、決して原酒自体が無いとか根本的に悪くなっているといった印象ではありませんでした。つまり、良い原酒のストックはあるということです。願わくばそういう原酒を少しずつでもオフィシャルリリースに回してもらいたいところですね…。

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☆TORMORE Distilled 1988
 THE TASTER
 AGED 28 YEARS

 度数:49.3%
 樽種:バーボン樽
(状態) /残量:60%程度/バー飲み

(テイスティング)
香り:
濃くて押しの強いモルティ、やや青くて素朴な雰囲気の穀物感、芋羊羹、白桃シロップ、やわらかいハーブの風味。

味:
桃の缶詰、ドライマンゴー、ライチ、ビターも伴う。透明感のスイート、オレンジオイル、香ばしい穀物感、干し草っぽいニュアンス。フィニッシュはドライ寄りだが、フルーティーな甘さも感じられ、長く伸びる印象。

感想:
香りではモルトの穀物感が先行、味はもっぱらフルーティ。穀物感の部分は少々野暮ったくもっさりした印象。味わいがとにかくフルーティ押しで、フルーツのコンポートやシロップを口に含んだようなジューシーな、それでいて透明感の伴うスイートが魅力的。口当たりは度数相応で強くも弱くもない。加水すると曇った穀物感が前面に出、僅かにインクのようなニュアンスが現れる。

評価: 4~5 (ゆっくり楽しめる~非常に美味しい)

コスパ:値段相応~良い

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トーモアはシーバスブラザーズ傘下の蒸溜所で、主にバランタイン等のブレンデッド用原酒として供給されています。また、シーバスブラザーズ傘下の中では、おそらくトップレベルのマイナー蒸溜所で、オフィシャルボトルのリリースは一応あるものの非常に少なく、国内の一般市場で手に入るオフィシャルボトルは殆ど無い印象。いち飲み手としては、ほぼほぼボトラーズ頼りの蒸溜所なわけです。

しかしながらそのボトラーズでのリリースも決して多いわけでなく、目を引くこともなかなか多くないためスルーしてしまいがち。特別目に付いて購入しない限りはバーでの出会いがしらに期待するしかないのですが…今回はそんな出会いがしらで出会ったトーモアなわけです。

このTHE TASTERは、日本のウイスキー専門インポーターであるスコッチモルト販売からリリースされたシリーズ。

味わいとしては、他のシーバス傘下ブレンド供給用蒸溜所のモルトに散見される野暮ったいモルト感と透明感のあるフルーツの甘みが主体。細すぎず太すぎずな口当たりで、思った以上に抵抗なく飲める印象。

特別何か飛び抜けたニュアンスも、深い重層感もありませんが、無難に、そして比較的手頃に飲める綺麗な近年スぺイサイドモルトとしては、大変うれしい1本でした。

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